中国、太平洋諸国と関係強化＝米に対抗、外相がソロモンなど歴訪

　【北京時事】中国の王毅国務委員兼外相は２６日、南太平洋のソロモン諸島を皮切りに、島しょ国歴訪を開始した。ソロモンは４月、中国と安全保障協定を結び、米国やオーストラリアなどの警戒を誘った。中国はバイデン米政権が構築を目指す「対中包囲網」を切り崩そうと、太平洋諸国との関係強化へ動いている。 　王氏は６月４日までの日程でソロモン、キリバス、サモア、フィジー、トンガ、バヌアツ、パプアニューギニア、東ティモールの８カ国を公式訪問する。中国とソロモンの協定草案とされる文書は、中国の軍艦寄港や軍派遣が可能となる内容。日米豪、ニュージーランド４カ国の高官は４月の会談で、協定締結への懸念を共有した。 　ロイター通信によると、王氏は他の島しょ国との間でも、安保や治安維持に関する協力関係の合意を目指している。中国外務省の汪文斌副報道局長は２５日の記者会見で、報道内容の確認を避けた上で、王外相の訪問は「中国と島しょ国の友好協力関係を深めるためで、平和と繁栄の促進に資する」と主張した。　【時事通信社】 〔写真説明〕２６日、ソロモン諸島の首都ホニアラの空港に到着し、同国政府高官の出迎えを受ける中国の王毅国務委員兼外相（左から２人目）（ＡＦＰ時事）