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優勝の歌、テーマは「母」=欧州音楽祭でウクライナ―戦禍と離散の国民に響く


 今年の欧州最大の音楽祭「ユーロビジョン」決勝で、ウクライナ代表が優勝したことに同国中が沸いている。演奏されたのは、グループのリーダーが母にささげた歌「ステファニア」。若者向けのヒップホップ調の曲だが、戦禍と離散の中、歌詞が特別な意味を帯びて響いたようだ。  「お母さん。花は咲き、人は老いる。子守歌を歌ってほしい。その声をまた聴きたい」  ウクライナ語のこの歌詞ができたのは、ロシアが2月に侵攻する前だった。ラップグループ「カルシ・オーケストラ」を率いるオレフ・プシュクさんはインスタグラムで「ステファニアは自分の母の名前で、この歌は(60歳になった)母にささげた」と紹介。ウクライナの民謡をモチーフにしたとも説明した。  報道によると、国難のさなか、この曲には新たな解釈が生まれた。歌の中の「母」は「戦禍にあっても子供や未来を守るすべてのウクライナ人女性の象徴」と受け止められた。「壊れた道をいつも歩いて行く」という歌詞は「都市や村が破壊されても、親の家へ、祖国へと帰り道を急ぐ」という意味になった。  プシュクさん自身、ヒットに驚いた様子で「大勢の人々が母を恋しがったり、ウクライナを母と捉えたりしている。だからこの歌が身近に感じられるようになったのだろう」と述べる。  音楽祭の決勝は14日にイタリア北部トリノで行われた。プシュクさんは演奏後、ステージから観客と視聴者に向かって英語で「(ロシア軍が攻撃する)南東部マリウポリとアゾフスタル製鉄所を今すぐ助けて」と訴えた。  結果は、視聴者票の追い風を受けて優勝。ウクライナ部隊は、製鉄所の攻防をめぐって敗色が濃厚になる中でも「音楽祭で勝利をもたらした」として歓迎した。  有名になった母ステファニアさんは、地元テレビのインタビューに「市場に買い物に行くと写真撮影をせがまれる」とうれしい悲鳴を上げる。ウクライナ国鉄は快挙を祝い、グループ名の由来で母が暮らす西部イワノフランコフスク州カルシ方面に向かう特急を「ステファニア号」と名付けることを決めた。 【時事通信社】 〔写真説明〕14日、イタリア北部トリノで開かれた「ユーロビジョン」決勝で優勝し、トロフィーとウクライナ国旗を掲げるラップグループ「カルシ・オーケストラ」(AFP時事)
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