「知的障害」密輸犯に死刑執行＝人権団体「国際法に違反」―シンガポール

　【シンガポール時事】シンガポールで２７日、麻薬密輸入の罪で死刑判決を受けていたマレーシア人の男ナゲントラン・Ｋ・ダルマリンガム死刑囚（３４）の刑が執行された。ＡＦＰ通信などが伝えた。男には「知的障害がある」として国内外から執行の見送りを求める声が上がっていた。 　人権団体レプリーブ幹部はＡＦＰ通信に「知的障害を抱えた人を絞首刑にすることは正当化できない。明らかな国際法違反だ」と批判した。 　男は２００９年、ヘロイン約４３グラムを持ち込もうとして逮捕され、翌年に死刑判決を受けた。支援者らは、知能指数（ＩＱ）が６９と知的障害が認められる水準で、減刑されるべきだと繰り返し訴えてきた。国連や欧州連合（ＥＵ）、英実業家リチャード・ブランソン氏が死刑回避を求め、国内でも珍しい抗議集会が開かれた。 　シンガポールは麻薬犯罪に対して世界的にも厳しい罰則を適用する国の一つで、「許容度ゼロ」を貫いている。裁判所は死刑囚が自分の犯行を認識しており責任を問えると判断した。　【時事通信社】