田中前理事長に薬届ける＝副学長指示、文科省が日大注意

　日本大の専任副学長が大学公用車の運転手に指示し、所得税法違反罪で有罪が確定した田中英寿前理事長（７５）に薬を届ける便宜を図っていたことが２５日、日大への取材で分かった。１９日に大学から報告を受けた文部科学省は「前理事長との関係が続いているという疑念を抱かせる行為は控えるべきだ」と日大に注意したという。 　日大によると、専任副学長は１８日夕、公用車で帰宅した際、前理事長に薬を届けるよう運転手に指示。運転手が都内にある関係先のちゃんこ店を訪れ従業員に薬を渡した。 　日大は報道機関からの取材で事実を把握し、専任副学長に注意した。専任副学長は元理事らによる背任事件の舞台となった板橋病院の建設も担当している。 　前理事長をめぐっては、有罪が確定した１３日から３日連続で校友会本部事務局が入る施設を訪問していたことが発覚し、文科省が注意していた。 　日大は「『決別宣言』をしている中で疑念を抱かせる行為。既に加藤直人理事長兼学長から全役員に対して田中氏との接触禁止を言い渡しており、それを徹底していく」とコメントした。　（了）【時事通信社】