前与党副党首にセクハラ疑惑＝女性１４人が被害訴え―タイ

　【バンコク時事】タイの与党第３党・民主党のプリン前副党首（４４）が多数の女性に性的暴行やセクハラを働いた疑いが浮上している。プリン氏は疑惑を全面的に否定。潔白を証明すると主張して副党首を辞任し、離党したが、被害を届け出た女性は１４人に上り、党に打撃を与えている。 　疑惑はプリン氏と１１日にレストランで食事した女子学生（１８）がセクハラに遭ったと母親に伝え、弁護士に相談したのをきっかけに明るみに出た。学生によると、プリン氏が講師を務めた経済セミナーで知り合い、株式市場について説明すると食事に誘われた。しかし、恋愛や性的な話に終始し、体を触られたりキスされたりしたという。 　この話が表沙汰になると、乱暴などの被害を訴える女性が続出。民主党党首のジュリン副首相兼商務相は１９日、謝罪会見を開き、「党はいかなる形のセクハラにも断固反対する」と強調した。 　プリン氏は世界貿易機関（ＷＴＯ）事務局長や国連貿易開発会議（ＵＮＣＴＡＤ）事務局長を歴任したスパチャイ元副首相を父に持つ。民主党は現存するタイ最古の政党だが、党勢は退潮しており、来年３月までに実施される総選挙に向け、立て直しを急いでいる。　【時事通信社】 〔写真説明〕警察に出頭するタイ与党・民主党のプリン前副党首＝１７日、バンコク