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全線開通めど立たず=一部再開も、橋脚にひび―宮城と福島結ぶ阿武隈急行


 3月16日に発生した福島県沖地震の影響で全線運休が続いていた阿武隈急行線は、18日から一部区間で順次運転を再開する。ただ、福島(福島市)―梁川(福島県伊達市)間は5月末まで運休が決まっており、全線開通のめどは立たないままだ。昨年2月の地震でも一時運休したが、担当者は「今回の被害は昨年の比ではない」とため息をつく。  全長54.9キロ、福島―槻木(宮城県柴田町)間を結ぶ同線。新型コロナウイルス禍もあり利用者は減っているものの、昨年度の利用者数は約162万人に上った。しかし、経営面では1999年以降、営業赤字が続く。全面開通から30年以上が経過し、車両の買い替えや設備修繕などに掛かる費用も増加。沿線の自治体から補助を受けるが、債務超過ぎりぎりの状況だ。  「経営に責任はあるが、県財政も無尽蔵ではない」(福島県)、「これという改善策はないのが実情」(宮城県)と、出資する自治体の懐具合も厳しい。阿武隈急行の菅原久吉社長は「まずは仮復旧でも列車を通す」と強調するが、阿武隈川を渡る橋梁(きょうりょう)の橋脚にひびが入り、鉄道総合技術研究所の調査結果を待っている状態で、復旧の見通しは立っていない。  同線は2011年3月の東日本大震災の際も2カ月間運休し、被害額は約3億7000万円に上った。19年10月の台風19号被害では、土砂が線路に流入して電柱が倒壊。全線再開までに約1年かかり、被害額は約10億9000万円に達した。昨年2月も福島県沖を震源とする地震に見舞われたばかりで、担当者は「全線再開からまだ1年半ほどなのに」と嘆く。  今回は利用者の約7割を占める福島県側の被害が大きいため、運休が長引けば利用者減が加速する可能性もある。菅原社長は「コロナで利用客も減り、ただでさえ厳しい状況だ」と苦境を訴えるが、「安全確保を大前提に、全線復旧に向けてしっかり取り組んでいきたい」と前を向いた。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕地震の影響で線路側にせり出した、阿武隈急行線福島学院前駅のホーム=3月23日、福島市
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