米議会、対ロ制裁法案を可決＝原油禁輸、「最恵国」取り消し―大統領署名で成立へ

　【ワシントン時事】米上下両院は７日、ウクライナに侵攻したロシアに経済制裁を科す２法案を賛成多数で可決した。原油などロシア産エネルギーの輸入を原則禁止する法案と、貿易優遇措置の「最恵国待遇」を取り消す法案で、バイデン大統領の署名を経て成立する。 　ロシアからの輸入品を制限してプーチン・ロシア政権の資金源を断つとともに、ロシアを経済的に孤立させて侵攻に歯止めをかけるのが狙いだ。 　米議会は超党派で対ロ強硬姿勢を鮮明にしている。２法案は下院をいったん通過後、上院が７日に修正を加えて可決。下院も修正案を承認した。 　ロシア産エネルギー禁輸法案は、原油や天然ガス、石炭などの輸入を全面的に禁止する内容。バイデン氏が３月、禁輸に関する大統領令に署名し、制裁は導入済みだが、議会は法制化によって実効性を高める考えだ。 　一方、最恵国待遇取り消し法案は、貿易優遇措置を認めた「恒久的通商関係正常化」（ＰＮＴＲ）法を撤回し、ロシアからの輸入品に対する関税率を引き上げる内容となった。侵攻に協力したロシアの同盟国ベラルーシに対する最恵国待遇も取り消す。　【時事通信社】