図面添付なく変更届受理＝土石流の盛り土で熱海市―静岡

　静岡県熱海市で昨年７月に起きた土石流災害で、神奈川県小田原市の不動産管理会社が２０１１年７月に提出した盛り土造成計画の変更届について、県の条例で義務付けられた計画図が添付されていないのに市が受理していたことが１日、市への取材で分かった。 　市によると、同社は１１年７月、県土採取等規制条例に基づき、盛り土造成の工期延長などを求める変更届を提出した。変更届に「別紙計画図の通り」と記載されていたが、実際には図面が添付されていなかった。市は今後、経緯を検証する。　 　０７年に同社が盛り土造成計画を届け出た時にも、災害防止やのり面保護など本来記入すべき項目が空欄だったが、市は書類を受理していた。同社は盛り土の高さを１５メートルと届け出ていたが、実際には約５０メートルだった。 　市は１日までに同社に対し、崩落した土地に残る盛り土の安全対策を実施するよう行政指導を行った。従わない場合は、安全対策の計画提出を強制する措置命令の発出や、市が安全対策実施後に費用を請求する行政代執行も検討している。（了）【時事通信社】