独、ガス供給で「警報」発令＝ロシア産停止に備え、省エネ要請

　【ベルリン時事】ドイツのハーベック経済・気候保護相は３０日、ガス供給が脅かされている際に出す「早期警報」を、欧州連合（ＥＵ）の規則に基づいて発令したと発表した。３段階の警報レベルのうち１段階目で、国民や企業に「１キロワット時の省エネでも貢献となる」と消費抑制を呼び掛けた。 　天然ガス輸出国のロシアは、ウクライナ侵攻に対する経済制裁を繰り出した日米欧などを「非友好国」と位置付け、ガス代金を自国通貨ルーブルで支払うよう要求。先進７カ国（Ｇ７）は２８日、これを拒否することで一致した。ハーベック氏は、反発したロシアがルーブル建て払いに関連する法改正の準備を始めたことで、ドイツとして警報の発令を決めたと説明した。 　早期警報の段階では、経済・気候保護省の職員らで構成する危機管理チームが、供給の状況を常時監視する。警報のレベルが一段と引き上げられれば、供給先の優先順位決定などに政府が介入することになるという。 　ドイツは天然ガスの輸入でロシア産への依存度が高いことで知られる。ハーベック氏は、現時点では供給に問題が出ているわけではないとしつつ、ロシアが供給を停止した場合にどれだけ持ちこたえられるかは「多くの要素に左右される」として明言しなかった。現状の天然ガス貯蔵率は２５％程度にとどまるという。　【時事通信社】