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小説差し替え、削除示唆も=検定やりとり「極めて異例」―論理国語


 文部科学省は「論理国語」に参考資料として小説を載せた2社の教科書に対し、主教材の評論との関連性を求める検定意見を付けた。作品の差し替えや削除も示唆したといい、関係者は「極めて異例なやりとりだった」と振り返る。  2社は桐原書店と数研出版。桐原書店は、評論のテーマに沿う小説3編を参考資料と位置付けて掲載した。文科省は「説明文や資料などは主たる記述と適切に関連付けて扱う」とする検定基準に抵触すると指摘。「評論の内容理解を深めるための適切な学習活動になっていない」とする意見を付した。  同社によると、文科省との間で何度もやりとりを重ね、小説自体は変更せず、小説の後ろに載せた設問を修正することで合格した。ただ3編のうち1編は難航し、「作品の差し替えや削除の可能性も含めて検討してはどうか」と告げられ、ぎりぎりの調整を強いられたという。  数研出版も、夏目漱石の「こころ」など小説3編を60ページ超にわたり参考資料として掲載。しかし「主たる記述と適切に関連付けて扱われていない」との意見が付き、4分の1に縮める修正をした。  文科省は昨年度、論理国語と似た必修科目「現代の国語」の検定で、小説5編を掲載した第一学習社の教科書を合格させた。「小説は一切入らない」とした事前説明と矛盾し、批判を浴びたため、昨年8月に「今後はより一層厳正な審査を行う」との見解を公表した。  桐原書店も昨年度、現代の国語の教科書に小説を参考資料として掲載したが、何の検定意見も付かなかった。担当者は「ここで厳しく見た形にしないと、小説掲載に関し、次の検定で歯止めがかからないと考えたのだろう」と推測する。  その上で、「非常に恣意(しい)的な運用に感じた。論理的な思考力を身に付けるのは大切なことだが、必ずしも評論ばかりやる必要はない。学習の可能性を狭めているのでは」と疑問を投げ掛けた。(了)【時事通信社】
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