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親ロ派地域で「プーチン擁護論」=モルドバ、第2の侵攻に懸念


 ウクライナの隣国で欧州連合(EU)加盟を目指す旧ソ連構成国モルドバでは、戦禍のウクライナに同情を示す人が多く、反戦機運も強い。一方、同じ国内でも親ロシア派が分離独立を宣言し、事実上ロシアの支配下にある東部の「沿ドニエストル共和国」では事情が全く異なり、プーチン政権を擁護する住民が目立つ。ロシアによる「第2の侵攻」の口実に利用されるのではないかとの懸念が広がっている。  モルドバの首都キシニョフから東へ車で1時間半。「国境」はない場所に検問所が見えてくる。ここは1990年に多数派のロシア系住民が「共和国」として分離独立を宣言した地域。ロシアが支援し、92年にモルドバ軍と本格的に衝突した。国際的に国家承認されていないが、モルドバ政府の統治は及ばず、今も約1500人のロシア軍部隊が駐留する。  パスポートを出して「入国」すると、様相が一変。看板や標識はロシア語で書かれ、赤緑の「国旗」とロシア国旗が並んではためく。「首都」ティラスポリの議会前にはレーニン像がそびえ建ち、旧ソ連製とみられる古い戦車の展示も。まるでソ連時代にタイムスリップした雰囲気だ。  ティラスポリ市内は一見、すぐ近くで紛争が起きていることが信じられないくらい穏やかだ。公園でくつろぐ人々にウクライナ情勢をどう思うか聞くと、弁護士のリュドミラ・リトビネンコさん(36)は「戦争は心配」だが自分は政治的に中立と強調。「私たちを助けてくれるロシアを悪くは言えない。ロシアは公共施設を建て、奨学金を出し、年金を補助してくれる」と主張した。  教師のデニス・ブルカさん(35)は「親戚がウクライナにいて心配」である一方、「ロシアばかりが悪いわけでない。開戦前はロシア側が歩み寄ろうとしたが、汚職まみれのウクライナ政府は何もしなかった」と発言。年金生活者のアラ・サフチェンコさん(63)は「ウクライナ人同士が殺し合っている。ロシアは見ているだけ」と述べた。プロパガンダと情報統制の影響とみられ「プーチン大統領はいい人」という声も聞かれた。  ロシアのてこ入れを受けるこの地域は、ウクライナ東部の親ロ派支配地域「ドネツク人民共和国」や「ルガンスク人民共和国」としばしば比較される。プーチン政権は2月21日に両地域を独立承認し、住民保護を名目としたウクライナ侵攻につながった。モルドバ国民の間では、沿ドニエストルが「ウクライナ東部化」し、ロシアの介入を招くのではないかとの不安が高まっている。 【時事通信社】 〔写真説明〕沿ドニエストルの「国境」検問所。パスポート提示などの手続きが必要=24日 〔写真説明〕沿ドニエストルの「首都」ティラスポリの議会前にそびえるレーニン像=24日 〔写真説明〕ティラスポリの公園で娘(左)と撮影に応じるリュドミラ・リトビネンコさん=20日
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