日本と平和条約交渉を中断＝ウクライナ侵攻の制裁に対抗―関係一段と冷却化へ・ロシア

　ロシア外務省は２１日、北方領土問題を含む日本との平和条約締結交渉を現状では継続するつもりはないと表明した。ロシアのウクライナ侵攻で日本が対ロ制裁を科したことへの対抗措置。長年の懸案である北方領土問題の交渉中断で、日ロ関係の一段の冷え込みは避けられない。 　同省は声明で「ウクライナ情勢に関連して日本がロシアに対し行った一方的な規制が、明らかに非友好的であることを考慮し、措置を講じた」と強調。平和条約交渉に関し「公然と非友好的な立場を取り、わが国の利益を損なおうとする国と２国間関係の基本文書の調印を協議することは不可能だ」と主張した。 　また、１９９１年に合意した北方四島のビザなし交流や９９年に始まった自由訪問の枠組みでのビザなし渡航の停止、２０１６年の日ロ首脳会談で合意した北方四島での共同経済活動をめぐる協議からの離脱も発表。２国間協力や日本の国益に与える損害の全ての責任は「互恵的協力や善隣関係の発展よりも、意図的に反ロ的路線を選んだ日本側にある」と非難した。　【時事通信社】