「許されぬ核威嚇」世界へ発信を＝サーロー節子さん、岸田首相に手紙

　ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領が核兵器使用を示唆していることを受け、広島の被爆者でカナダ在住のサーロー節子さん（９０）が７日、「今こそ、核兵器の使用や威嚇は絶対に許されないということを声を大にして、世界中に発信してください」とする手紙を岸田文雄首相に送った。国際ＮＧＯピースボートが明らかにした。 　１３歳で被爆したサーローさんは「がれきの中からはい出た時に見た恐ろしい光景と、無残な形で命を奪われていった家族や友人一人ひとりへの思いが、今日まで核兵器廃絶を訴え続ける原動力となってきました」と記した。その上で「世界は広島からの声を必要としています」と訴えた。 　米国の核兵器を配備して共同運用する「核共有」の議論を求める声が一部政治家から上がっている現状に、「核兵器が使われたらどのような凄惨（せいさん）で非人道的な事態となるかを世界に訴えることが日本の役割です。それを使用する側に回るという選択肢があろうはずがありません」と強調。「破滅への道を突き進むのか、理性をもって核の恐怖から共に抜け出していくのか、被爆国日本の行動こそがその鍵を握っている」とつづった。（了）【時事通信社】