俳人の稲畑汀子さん死去＝９１歳、「ホトトギス」名誉主宰

　高浜虚子の孫で俳誌「ホトトギス」名誉主宰の俳人、稲畑汀子（いなはた・ていこ、本名いなばた）さんが２７日午後４時４８分、心不全のため兵庫県芦屋市の自宅で死去した。９１歳だった。葬儀は近親者で営む。喪主は長男で俳人の廣太郎（こうたろう）さん。 　１９３１年、横浜市生まれ。祖父の虚子と父で俳人の高浜年尾から手ほどきを受け、少女時代から句作に親しんだ。７９年、年尾の死去に伴って「ホトトギス」（１８９７年創刊）主宰を受け継ぎ、正岡子規の俳号にちなんだ伝統的な俳誌を主導した。８７年に日本伝統俳句協会を設立し、会長に就任。２０００年には芦屋市の自宅の隣に虚子記念文学館を開き、理事長に就いた。 　句集に「汀子句集」など。虚子の俳句理念「花鳥諷詠（ふうえい）」を旗印に、客観的な写生に基づいた伝統俳句の継承に努めた。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕俳人の稲畑汀子さん