高層アパートに着弾、負傷者＝侵攻迫るウクライナ首都

　上空から着弾した瞬間、閃光（せんこう）と共に爆音と黒煙が広がる―。ロシア軍が侵攻を進めるウクライナの首都キエフ。インターネット上に投稿された動画によると、２６日朝、市内の高層アパートが攻撃を受け、負傷者が出た。 　非常事態当局は「負傷者数は確認中。避難が行われている」と説明。発表された映像では、アパート周辺にがれきが散乱する中、女性が３人がかりで担いで救出される様子が分かる。 　「攻撃は北西から行われ、約２キロ以内にあるキエフ空港を狙った可能性がある」。調査報道団体「コンフリクト・インテリジェンス・チーム」はこう推測。ただ、ロシア国防省報道官は２５日、標的は軍事施設のみだとして否定した。 　北西には、キエフ郊外で大型輸送機などが離着陸するアントノフ空港がある。ロシア国防省は２５日、ここを制圧したと発表した。西からキエフを封鎖しているとも主張。市民の間で首都中心部突入は間近だという危機感が強まっている。 　一方、キエフ北方の旧ソ連チェルノブイリ原発も、ロシア軍が完全に掌握した。近隣住民で環境保全活動に取り組む男性、オレクサンドルさん（４５）はソーシャルメディアに原発に至る検問所の写真を投稿。「必ず取り戻す」とロシア軍への憤りをつづった。　【時事通信社】 〔写真説明〕２６日、キエフで、攻撃を受けた高層アパートの消火活動に当たる消防士（ＥＰＡ時事）