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最新AI技術も貪欲に活用=藤井五冠、強さの原動力―将棋


 4連勝で王将位を手に入れた藤井聡太五冠(19)と渡辺明二冠(37)の勝負は「最新のディープラーニング型将棋AI(人工知能)の使い手同士の戦い」でもあった。AI開発者の山口祐さんは、最新技術も貪欲に活用する藤井五冠の飽くなき探究心に注目する。  藤井五冠が第1局の41手目に指した8六歩。狙いが分かりにくく、立会人の森内俊之九段(51)は「衝撃的な手」「未来の感覚」と驚嘆し、渡辺二冠も次の一手に91分を費やした。  しかし、山口さんは「8六歩は、ディープラーニング(DL)型将棋AIでは候補手の上位に来る。藤井さんは事前に研究していたのではないか」とみる。DL型は、多くの棋士が研究に使っている従来型とは全く異なる最新型のAIだ。  従来型AIは1秒間に8000万から1億局面を読む圧倒的な計算力を誇り、その棋力は今やプロをはるかに上回る。それでも、選択の幅が広い序盤では最善手を導き出せないこともあるという。  一方、DL型は、高精細映像やゲームに使われる映像処理装置を活用。盤面の画像を数値化し、人間の神経細胞を模した高度な計算モデルで答えを出す。そこには棋士の「大局観」に似た判断過程も見られるといい、序盤の正確さに特長がある。  DL型の使用を公言している棋士は、一昨年にいち早く導入した藤井五冠と昨年始めた渡辺二冠だけ。山口さんは「どれだけ使いこなせているかでは、藤井さんには一日の長がある」と指摘する。  山口さんが開発したDL型の「PAL(パル)」は昨年、将棋AIの世界選手権で準優勝。プロの公式戦のNHK杯では形勢判断の表示に使われている。そのPALが示す最善手とプロ棋士たちの指し手を比較したところ、藤井五冠は全棋士でAIに最も近い手を選んでいることが判明した。  山口さんは「AIが藤井さんの活躍の主たる要因ではなく、新しいものを取り入れるモチベーションの高さが強さの一番の原動力なのだと思う」と話している。(了)【時事通信社】
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