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混浴文化、湯あみ着に活路=「開放感なくなる」拒否感も


 湯治宿や名湯に今も残る混浴。近年は減少する一方だが、文化を少しでも残そうと、湯あみ着(入浴着)を着て入浴する試みが広がっている。ただ、「開放感がなくなる」と拒否感を示す宿もあり、定着するかは未知数だ。  青森市の「酸ケ湯温泉」では1月、混浴風呂の入浴客に湯あみ着を着てもらう環境省の実証実験が行われた。湯船では男女の談笑する声が聞こえ、夫婦で来た大阪市の女性(54)は「お互いに着ると抵抗なく入れる」と満足げ。木村正弘支配人は「(のぞきなど)変な目的を持つ人は減る」と手応えを感じた様子で、今後の義務化も検討するという。  湯あみ着を義務化して成功している宿もある。熊本県南阿蘇村の「地獄温泉青風荘」では、源泉から微量のガスが出ているため視界を遮る仕切りが設けられず、女性の混浴利用が1割にとどまっていた。そこで3年前、水着や湯あみ着の着用を義務化。今では女性客が8割を占める日もあり、子供の姿も増えた。河津謙二副社長は「どんな人も入れるようにするのが第一だ」と強調する。  一方、秋田県仙北市の乳頭温泉郷にある「鶴の湯温泉」は、仕切りの設置など十分に対策を講じているとして、湯あみ着の義務化に否定的だ。佐藤和志会長は「露天風呂は開放感が醍醐味(だいごみ)。一律に現代風の湯あみ着を導入すれば価値が半減し、息苦しくなる」と話す。混浴減少の背景として入浴客のマナー低下を挙げ、「以前は暗黙のエチケットがあったが、今は興味本位の入浴客が多い。入る心構えの啓蒙(けいもう)も必要だ」と訴えた。  日本温泉地域学会の石川理夫会長は「裸での混浴が始まったのは江戸時代後期で、それまでは奈良時代から湯具を着る決まりだった」と指摘。「性意識が変化し、LGBT(性的少数者)への配慮も必要な中、入浴客の安心感のため湯あみ着を導入し、湯治文化をもっと伸びやかなものにすべきだ」と話している。(了)【時事通信社】
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