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確かな自信、備えた風格=「いつも通りに」恩師ら祈り―小林陵選手〔五輪・スキージャンプ〕


 北京五輪ノルディックスキー・ジャンプ男子のエース、小林陵侑選手(25)=土屋ホーム=が6日、メダルを懸けて個人ノーマルヒルに臨む。  「重みのある自信を感じた」。東京五輪開幕前の昨年6月、母校の盛岡中央高(岩手県)を訪れた元教え子に、伊東雄一スキー部監督(50)は目を見張った。  共に五輪代表になった兄・潤志郎選手(30)=雪印メグミルク=の恩師でもある伊東さんは「兄弟は正反対。潤志郎はとにかく真面目で、言われたことを黙々とやる。陵侑はいい意味で要領が良い。悪く言うと、ずる賢いかも」と笑う。兄は高3でノルディック複合ジュニア世界選手権を制した。伊東さんは「比べられたくなかったと思うが、(陵侑選手は)悔しいそぶりも見せなかった」と話す。  週末はコーチとジャンプ台へ通い、学校でのトレーニングでは自分に必要なものは何かを常に考えていたという。伊東さんは「新人類」と評価。競技に向き合う姿勢は高校生離れしていた。身体能力も抜群で、「サッカーを一生懸命やればJリーガーになったのでは」と言うほどだ。  「喜怒哀楽を見せるのをクールじゃないと思うタイプ」。ただ、それが「どこか軽いノリ」のように感じることもあった。平昌五輪に出場した後も、伝統のジャンプ週間で日本勢2人目の総合優勝を成し遂げた後も、印象は変わらなかった。  ところが昨年、後輩の生徒を前に北京五輪への思いを語る姿に、風格を感じた。「高校から見ていて初めて。充実したトレーニングが自信につながっているな」。この年末年始のジャンプ週間で2度目の総合優勝を達成したことで、思いを確かにした。  「プレッシャーはあるだろうが、何も考えず、いつも通りに」。最高の跳躍を祈った。(了)【時事通信社】
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