与党、単独過半数困難か＝３０日ポルトガル総選挙

　【パリ時事】ポルトガルで３０日、議会（一院制、定数２３０）の前倒し総選挙が行われる。任期は４年。地元メディアが報じた世論調査では、コスタ首相率いる中道左派の与党社会党の支持率は約３８％で、最大野党の中道右派・社会民主党の約３０％を上回る。ただ、単独過半数の獲得は困難とみられ、コスタ氏は他党との協力模索を迫られそうだ。 　社会党政権に閣外協力していた共産党や左翼ブロックは昨年、社会保障制度の改善や最低賃金の引き上げを主張し、コスタ氏の財政健全化方針に反対。同年１０月に２０２２年度予算案が否決された。次回総選挙は２３年の予定だったが、レベロデソウザ大統領は議会解散を決定した。 　前回１９年の総選挙で、社会党は１０８議席を獲得。コスタ氏は、今回の選挙で単独過半数を獲得できない場合でも連立を目指さず、閣外協力の継続を求める意向を示している。ただ、予算案をめぐり急進左派政党との関係は悪化。修復できなければ政権発足が遅れる可能性もある。 　ＡＦＰ通信によれば、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、約３１万５０００人の有権者が期日前投票に登録。コスタ氏も２３日に投票を済ませ、「みんなが安全に投票できる条件は整った」と対策をアピールした。首都リスボンでは自宅隔離中の有権者宅に市職員が防護服を着て訪問し、記入済みの投票用紙を回収したと、地元メディアは伝えている。　【時事通信社】 〔写真説明〕ポルトガルのコスタ首相＝６日、リスボン（ＡＦＰ時事）