複数学生に酷似文面送付＝「体験授業」で解答依頼―共通テスト流出

　大学入学共通テスト初日の地理歴史・公民の試験中に「世界史Ｂ」の問題が流出した事件で、高校２年の女子生徒を名乗る人物が、家庭教師紹介サイトに講師として登録する少なくとも３人の大学生に対し、試験日を指定し、ほぼ同じ文面で「体験授業をしたい」などとメッセージを送っていたことが２７日、関係者への取材で分かった。 　関係者やサイト運営会社によると、この人物は昨年１２月１２日に同サイトへ登録。同月中旬までに少なくとも東京大や京都大の学生３人に対し、テスト初日の今月１５日に「オンラインで体験授業をしたい」などとメッセージを送った。 　体験授業について、家庭教師としての能力を知るため、「テストという形で問題を解いてほしい」と依頼。いずれもメッセージのみのやりとりで、「前の先生があまり良くなかった」「親が少しうるさい」などと協力を求めていた。 　このうちの１人は１５日、共通テストと知らず、試験時間中にこの人物から送られてきた世界史Ｂの問題を解答。同日夕、自分が解いた問題が実際に出題されたことに気付き、不正行為の可能性があると入試センターなどに通報した。警視庁は偽計業務妨害の疑いがあるとみて捜査している。 　この人物から依頼を受け、断ったという京大生（１８）は取材に対し、家庭教師としての実力を測るとの理由で、「（試験問題の）正解を引き出そうとするやり方は到底許されない」としている。（了）【時事通信社】