故郷への思い、ひしひしと＝大関昇進の御嶽海―大相撲

　表情に緊張感をにじませつつも、御嶽海は朗々とした口調で決意を述べた。「満点です」と胸を張れる口上。そこには、故郷の長野県への思いが込められていた。 　「感謝の気持ちを大切に」とは、中学校の恩師から授けられた教え。入門後も変わらず大切にしてきた言葉だ。中学校の石碑に刻まれた「自分の持ち味を生かせよ」との文言も、自身の相撲の原点となっている。 　長野県からの大関の前例は、江戸時代に活躍し、「天下無双」の力を誇った雷電にまでさかのぼる。地元の期待の大きさは重々承知しており、「応援を力に変えていきたい」と意気込む。 　念願を果たした格好ではあるが、本人はこれを「スタートライン」と表現してみせた。「まだ一つ上の番付もある。そこを目指してやっていきたい」。歩みは止めず、横綱昇進を次なる目標に定めた。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕大関昇進を伝達される御嶽海（右から２人目）＝２６日午前、東京都墨田区の出羽海部屋（代表撮影）