広島の黒原、ひたむきに鍛錬＝大野氏の「２４」背負い第一歩―プロ野球・期待を背に（下）

　広島の新人合同自主トレ初日に行われたシャトルラン。ドラフト１位の黒原拓未投手（関学大）は「気持ち良さもあったし、いい刺激になった」。同期たちが息を切らして苦戦する中、涼しい顔で走り切った。 　身長１７３センチ。野球選手としては小柄だが、ランニングなどのトレーニングを人一倍こなし、座右の銘でもある「ど根性」で才能を開花させた。「やるなら全力でやり切るのが自分のモットーであり、こだわり」と言い切る。智弁和歌山高から大学に進学して力をつけ、４年春には自己最速の１５１キロをマークした。 　担当の鞘師智也スカウトは、努力家の一面にほれ込んだ。「４年春に成長していてびっくりした。智弁和歌山の中谷監督や関学大の誰に聞いても『すごく練習する』と。壁にぶつかっても、負けずにやっていけると思う」と言い、プロ向きの性格とみる。 　背番号は同じ左腕でＯＢの大野豊氏もつけた２４が与えられた。球団は先発、リリーフで１００勝１００セーブを達成し、４３歳まで活躍したレジェンドとその姿を重ねる。 　文字通りに大きな期待を背負う黒原は「ひたむきに練習に向き合って、いずれは追い越せるような選手になりたい」と決意を示す。将来の目標も胸に抱く「練習の虫」は、１軍で迎える春季キャンプに向けて黙々と鍛錬を積む。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕広島の新人合同自主トレーニングで練習するドラフト１位の黒原＝８日、広島県廿日市市