圧力に屈した高川学園＝封じられた「奇策」―高校サッカー

　快進撃を支えた「奇策」は封じられた。高川学園は相手の鋭いプレスに苦しみ、敵陣に入れない。セットプレー時にゴール前の数人が手をつないでくるくると回り、一斉に散らばる戦法が注目を集めたが、ＣＫの好機は一度もなし。高い位置でのＦＫもなかった。 　これまでの４バックではなく、５バックの守備的布陣で臨んだが、立ち上がりにＦＫから失点。前半２６分にはＣＫから追加点を許し、「絶対に決めるという気持ちで差が出た」とゲーム主将の北。自分たちのお株を奪う相手のセットプレーの質に脱帽した。 　左サイドバックで絶対的な存在だった奥野主将を開幕前のけがで欠きながら、ＧＫ徳若を中心とした守備陣の踏ん張りを武器に１点差勝負を物にしてきた。「よく頑張ってくれた」と江本監督。自信を胸に、晴れやかな表情で大会を去った。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕青森山田に敗れて、肩を落とす高川学園イレブン＝８日、東京・国立競技場