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苦難越え、頂点返り咲き=小林陵「違う味」に感慨―ジャンプ男子


 2度目の完全制覇に王手をかけて迎えた最終戦の1回目。小林陵は「めちゃめちゃ緊張した。たぶんグランドスラムを考えた」。史上初の偉業を意識し、重圧がのしかかった。  133.5メートルの5位で首位とは6.8点差。「逆転はあまり考えなかった」と言う2回目も同じ飛距離にまとめて5位に入った。「ちょっと悔しいけど、歴史ある試合で2度目のゴールデンイーグルを取れてうれしい」。4戦全勝は逃したものの、2度目の総合優勝は日本勢初の快挙。晴れやかな表情で、黄金に輝くワシのトロフィーを何度も掲げた。  22歳だった3季前のジャンプ週間で完全優勝を遂げて脚光を浴びた。「絶好調で、動けば良いジャンプができる感じだった」。しかし、翌シーズンの第1戦を制した後は表彰台に届かなくなり、昨季は4戦で2度の7位が最高。「苦しい思い出もある」と振り返る2年を乗り越え、返り咲いた頂点の喜びを「違う味」と言ってかみしめた。  緊張の連続で「頭が真っ白」になることもあると明かすが、美しい飛躍は崩れない。今回4戦の平均飛型点は、55.625点の高水準。ジャンプ週間で最多5度の総合優勝を誇るアホネン(フィンランド)は「陵侑は健康で良いトレーニングができれば、総合優勝は5回でも6回でも可能だろう」と期待を寄せる。  1953年に始まった伝統ある大会で、ライバルたちに揺るぎない強さを誇示した。この勝利は、金メダルを見据える来月の北京五輪で生きるはずだ。(ビショフスホーフェン時事)【時事通信社】
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