大津、こじ開けた扉＝光った堅守、初の４強―高校サッカー

　大津が重い扉をようやくこじ開けた。３４大会前の初陣から３度はね返されたベスト８の壁を破り、１８度目の出場にして初めて準決勝へ。ＯＢでもある山城監督は「これまで本当に求めてきた舞台」と、実感を込めた。 　前橋育英のペースで進んだ中、前半１１分に一村が奪った先制点を最後まで守り抜いた。「佐藤瑠が最優秀選手」。監督がたたえた１９１センチの守護神は、先制の直前に見せたビッグセーブを皮切りに好守を連発。クロスボールもことごとく捕球し、何度もチームを救った。 　高円宮杯Ｕ１８プレミアリーグ西地区では、レベルの高いＪリーグ下部組織を相手に戦うことで堅守は磨かれ、「ボールを持てるチームとやってきて自信にもなった」とＤＦ寺岡。後半は５バックに変え、したたかに逃げ切ってみせた。 　１９９３年からチームを率い、熊本県宇城市教育長となった現在も指導に当たる平岡総監督にとっても、国立競技場は悲願の舞台。「ここまで来たら、全国制覇しかない」と一村。今大会もわずか１失点。確かな手応えを胸に頂点を見据えた。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、先制ゴールを決める大津の一村（中央）＝４日、千葉・フクダ電子アリーナ