帝京大、激戦制しＶ王手＝流れ変えた細木主将―全国大学ラグビー

　帝京大は関東対抗戦を全勝で制し、今大会の初戦も大勝していた。それだけに、岩出監督は「隙を恐れていた」という。 　その不安は的中した。前半はスクラムや密集戦で反則を取られてペースをつかめない。京産大に１３点リードされて折り返した。 　苦しい試合の流れを変えたのは、けがで先発を外れていたプロップ細木主将だった。１０点を追う後半２０分に登場。「何一つ、負ける気がしない空気感だった」。直後のスクラムで完全に押し勝って主導権を奪い返す。２４分にもスクラムを起点にＳＨ李がインゴールに飛び込み、そして終了間際にツイナカウバドラが勝ち越しのトライを決めた。 　短い時間で勝利に貢献した細木に、ナンバー８の奥井は「試合だけでなく、一年を通して先頭に立ってくれた」。岩出監督も「チームを本当にたくましくしてくれた」と感謝した。 　激戦を乗り越え、４大会ぶりの優勝へ王手をかけた。指揮官は「決勝に向けて欠かすことのできないゲームだった。次のステージを最高の挑戦の機会にしたい」と誓った。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、勝ち越しのトライを決める帝京大のツイナカウバドラ（左）＝２日、東京・国立競技場