前回王者、上位に絡めず＝「優勝旗ショック」の富士通―全日本実業団駅伝

　連覇に挑んだ富士通は前半で遅れ、上位争いに絡めず１２位に終わった。１区の松枝が３位でつないだ後、２区ロキアが区間３２位の大ブレーキで２０位に後退。その後も東京五輪マラソン代表の中村が４区で区間２６位、男子マラソン日本記録保持者の鈴木は５区で同１０位とエース級が精彩を欠いた。 　最長区間を担った中村は「非常にいい状態できている。個人では昨年逃した区間賞を取って優勝に貢献したい」と意気込んでいたが、力を示せなかった。 　富士通は昨年１２月、前回優勝時に授与され保管していたはずの優勝旗が所在不明になったことを公表し、会社幹部が「栄誉な物を預かる意識が十分ではなかった」と謝罪した。 　縦１０６センチ、横１１５センチの旗は依然として見つかっておらず、今年の表彰式は優勝旗なしで行われた。「優勝旗ショック」が尾を引いたわけではないだろうが、今大会の富士通は見せ場をほとんどつくれなかった。（了）【時事通信社】