市中感染、広がる懸念＝飲食店、客足に不安―オミクロン株

　大阪府で国内初となる新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の市中感染が確認された２２日、忘年会シーズン真っただ中の飲食店からは、客足への影響を懸念する声が上がった。一方で「無駄に不安がる必要はない」という冷静な見方もあった。 　大阪・道頓堀の居酒屋「焼　塩美屋」店長の中村路彦さん（４７）は「やっと再開してこれからというところ。怖いと言えば怖い」と市中感染発生に戸惑いを隠せない。府が会食人数や時間の制限要請を延長する方針と聞くと、「また対応を考えないといけない」と残念そうに話した。 　北新地にある家庭料理店「恕庵」のオーナー、吉田順子さん（６８）も「やっぱり怖い。ようやく感染が落ち着いてきて、『今のうちに』と来られる方もいたのに」と影響を懸念する。「（心配なのは）客足もだが、従業員が感染したら困る。換気を今以上に徹底したい」と話した。 　出張に出掛けるサラリーマンらが大勢行き交う東京駅。これから大阪に向かうという公務員小田智彦さん（２６）は「ついに来たなという感じ。早めの対策を取ってほしい」とだけ話し、足早にホームへと向かった。 　京都から都内の友人に会いに来たという会社員の女性（２８）は「（オミクロン株は）当初ほどよく分からない脅威ではない。感染対策を徹底すれば、無駄に不安がる必要はないのでは」と冷静な口調。実家がある大阪に帰省するという自営業の男性（３９）も「あまり驚きはない。手洗い、うがいをすれば大丈夫では」と話した。（了）【時事通信社】