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兄「回復し、償いを」=谷本容疑者、母亡くし家族と疎遠に―大阪ビル放火


 「言葉にならない」。大阪市北区のビル火災で、殺人と現住建造物等放火の疑いが持たれている谷本盛雄容疑者(61)の兄が、取材に応じた。兄は事件のショックを隠せない様子で、重度の気道熱傷などで入院している同容疑者に対し、「回復し、罪を償ってほしい」と涙を浮かべた。  兄によると、谷本容疑者は4人きょうだいの次男で、上から3番目だった。中学生ぐらいから父の経営する板金工場を手伝い、一緒に働いたこともあった。転機は18~19歳ごろ。最愛の母を亡くした後、反りの合わない父を避けるようになり、きょうだいとも疎遠になったという。  同容疑者は10年ほど前まで、同市淀川区の板金工場で働いていたが、突然退職。最近になって、以前暮らしていたことがあり、電気もガスも止まった一軒家に1人で住んでいたとみられる。  兄は、30年以上疎遠な関係が続き、どこで何をしているのかも知らなかったといい、「(弟が事件の容疑者と知り)びっくりした。受け入れるのがちょっと…言葉にならない」とつぶやいた。「あんな極端なことができる人間ではない。何かあったんだと思う」と推測した。  24人の犠牲者の冥福を祈る一方、重篤な状態が続く同容疑者の身も案じた。「死ぬなよって(声を掛けたい)。回復して事件に向き合い、罪を償ってほしい」と話した。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕谷本盛雄容疑者
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