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患者に寄り添い、信頼厚く=院長西沢さん、復職支援に情熱―大阪ビル火災で安否不明


 大阪市北区のビル火災で、安否不明の状態が続いている現場の「西梅田こころとからだのクリニック」院長の西沢弘太郎さんは、温厚な人柄で、親身に寄り添う診療で患者の信頼も厚かった。  クリニックのホームページなどによると、西沢さんは1997年に埼玉医科大を卒業し、内科医や精神科医として勤務後、2015年に開業。うつ病などを患っても働きながら通院できるよう午後10時まで診療し、休職した人らの職場復帰にも情熱を傾けていた。  大阪市の50代男性は「『つらいことがあったら全部話してください』と言ってくれ、アドバイスがありがたかった。朝から晩まで患者に向き合ってくれた」と感謝した。トラブルは聞いたことがないといい、「僕らみたいな人に言えない苦しみを持っている人のために開業したと聞いた。心優しい先生だった」と話す。  「病院に行くのが楽しかった」。発達障害があり、4~5年前から通っていた大阪市の小学校教諭の男性(53)は振り返る。昨年のクリスマスに受診し、火災直前の診療で西沢さんから「今年もまたここで過ごしましょう」と笑顔で言われたという。「あんな良い先生がいなくなるなんて理解できない」と悲しんだ。  西沢さんと面識があり、発達障害者の就労支援などに取り組む「Kaien」の鈴木慶太代表(44)は「悪いうわさは聞いたことがない。働いている人を助けたいという思いでクリニックを立ち上げた。診療で恨みを買うとは思えない」と評した。(了)【時事通信社】
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