1時間目は、早稲田大学の学生を中心とした学生団体「Rethink Fashion Waseda(ReF)」のお二人による、絵本の読み聞かせ。
母親ががんに罹患し、治療による脱毛にどう向き合うか考えさせられる絵本『ママのバレッタ』を通して、子どもたちが家族ががんに罹ったとき、家族の髪が抜けてしまったときをイメージする時間となりました。
2時間目は、NPO法人「全国福祉理美容師養成協会」(ふくりび)の岩岡さんによる、アピアランスサポートについてのレクチャー。
ヘアドネーションから医療用ウィッグになるまでの仕組みを学び、医療用ウィッグのデザインを決める際に用いられるAI搭載のデジタルミラーも体験。
子どもたちはウィッグが人の髪でできていること、31cmの髪でもショートカットのウィッグになること、楽しく髪型のカウンセリングをすることで心のケアになることなどには、驚きや学びがあった様子でした。
抗がん剤治療を受けて10日後くらいから、髪や眉毛、まつ毛、鼻毛などすべての毛が抜け落ちたこと、ウィッグを活用して生活しやすくなった体験を、自身によるイラストを用いてトーク。
突然病気になり「どうして今なんだろう」と思い悩んだこと、家族や友だち、身近な人の存在が支えであったことを聞けました。
髪がすべて抜け落ちると枕に頭皮が当たるだけでも刺激に感じること、頭皮のにおいも不安になること、鼻毛がないと鼻水が垂れてくること、矢方さんがウィッグをつけて逆立ちをしても取れなかった話に、子どもたちは驚き!
矢方さんのウィッグで前向きになれた体験談や、ウィッグやヘアドネーションに感謝をしている話を聞き、子どもたちは一層ヘアドネーションに関心をもったようでした。
ドネーションカットの際には、髪をいくつかに分けてゴムで結んだ状態でカット。
キューティクルの向きがあるので、髪の方向が重要であることや、31cm以上の長さが必要であることを学びました。
また医療用ウィッグをつけ、いつもと違うヘアスタイルに大盛り上がり!
髪の仕分け作業では、31cmあるか計りながら、「すごくきれいな髪」「白髪のある髪」「パーマやくせのある髪」「31cmより短い髪」のボックスに仕分け。
スピードを上げていく子どもたちに、見守る保護者も微笑んでいました。
最後の5時間目は、各自のメモをもとに班ごとに話し合い、クイズを出し合って学びの総まとめ。
「ウィッグを作るのに、子どもの髪だと何人分いりますか?」「仕分けで一番少なかったのは、どのボックスですか?」と、体験から学んだ鋭いクイズが出題されました。
この日ヘアドネーションを体験した小学生が、ロングヘアからショートヘアになって登場した時には会場から歓声が。本人は、「長いあいだ一緒だった髪がなくなるのは寂しいけれど、誰かの役に立って喜んでもらえるのが嬉しい」と語っていました。
ヘアドネーションやウィッグについて、文字通り360°体験しながら学んだ子どもたち。見守る保護者にも感じるものがあった様子。
「フィーノ」が掲げる「#髪からはじめるちょっといいこと」を、各々が考えるきっかけになるイベントでした。今後の「フィーノ」の活動にも注目です。