日光二荒山神社中宮祠(にっこうふたらさんじんじゃちゅうぐうし)は中禅寺湖畔にあり、男体山(二荒山・標高2,486m)をご神体とする神社です。
日光二荒山神社の本宮は日光市内、男体山頂に奥宮があり、この中宮祠は奥宮(男体山)への登山口となっています。主祭神は大国主神(おおくにぬしのかみ)で、ご利益はなんといっても“縁結び”です。
中禅寺湖の対岸にある中禅寺は中宮祠とは親戚関係にあるお寺で、本尊は観音様、ご利益は恋愛成就。ダブルでお参りして最高の縁を結びましょう。
縁結びの神様、二荒山神社中宮祠
中宮祠は奥宮への入り口。ここで身を清め安全を祈願
二荒山神社中宮祠 の正面に 中禅寺湖 、背後には 男体山 がそびえています。拝殿、本殿と 男体山への登山口登拝門 があります。神聖な場所へ立ち入るにはこの門をくぐります。入り口の案内板には山頂まで約6km、3時間30分かかると書かれています。一合目には遙拝所(ようはいじょ)があり、往復で20分です。 開山は4月下旬、閉山は11月初旬 です 。
中宮祠の本来の役割は、男体山にある「奥宮」へお参りする際に体を清めるとともに登山の安全を祈願する場所なのです。
大国主神は大黒様で大黒天とも同一人物
ご祭神は 大己貴命 (おおなむちのみこと/大国主神)と奥さんである田心姫命(たごりひめのみこと)、その子ども味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)です。また、 大国主神は大黒様とも呼ばれており 、“因幡の白兎”のお話のようにとても優しい神様です。さらに 大黒天と同一神様 だそうで、福の神で手に持つ“ 打ち出の小槌”は人類最高の幸せを呼ぶアイテム です(大黒天はインドの神様で、仏教とともに日本へ伝わったのですが、さまざまな事情で大国主神と合体してしまったようです)。
貴重な文化財の宝庫。ルールを守って参拝
歴史的に貴重なのが登拝門の前にある鳥居です。唐銅鳥居(からかねのとりい)といい江戸時代中期、1769年に造営されたものです。銅製の鳥居はそれほど珍しいものではありませんが、その足下に注目すると獅子の飾りが付いています。その上にはお寺にあるような装飾がなされています。神社とお寺が合体したような鳥居になっているのが大変珍しいもので、国の重要文化財に指定されています。また、拝殿と本殿も国の重要文化財に指定されています。
二荒山中宮祠はパワースポットのテーマパーク
神楽殿には大黒様 が祀ってあり、お参りすると 金運がアップ し幸せになれるような気がします。境内には 七福神 が点在していますので、福をいただきに探して歩くのも楽しいですよ。
境内には樹齢1,100年以上という いちいの木 や 龍の松 、 良縁の松 などのご神木、 牛石 、 大蛇 、 かわらけ などのさまざまな開運ポットがあります。いうなればパワースポットのテーマパークです。中禅寺湖を訪れた際には忘れずに参拝しましょう。
日光二荒山神社中宮祠
- 所在地:栃木県日光市中宮祠2484
- 電話番号:0288-55-0017
- 参拝時間:4月~10月…8:00~17:00、11月~3月…9:00~16:00
- 参拝自由
- アクセス:
[車]東北自動車道宇都宮ICから日光宇都宮道路清滝IC、日本ロマンチック街道・いろは坂(国道120号線)経由約20分
[公共交通機関]J JR日光線日光駅または東武日光線東武日光駅から湯元温泉行きバスで約45分、二荒山神社中宮祠バス停下車すぐ
二荒山神社とは親戚の中禅寺(立木観音)
「立木観音」として知られる中禅寺
中禅寺湖の左岸、中宮祠の対岸にあるのが中禅寺です。正式には「日光山中禅寺」といい、輪王寺の別院になっています。中禅寺と中宮祠は江戸時代までは同じ敷地内にありましたが、明治時代になり神社と仏閣は完全に分離されたため今は親戚関係となっています。目の前の湖は中禅寺の名前をとって“中禅寺湖”と名付けらました。
中禅寺は、日光を開山した勝道上人(どうじょうしょうにん)が784年に開山した古刹で、一般的には立木観音(たちきかんのん)という名称で知られています。立木観音とはご本尊は“十一面千手観世音菩薩”のことを言い表していて、勝道上人が桂の立木にそのまま彫ったと伝わっているからだそうです。中禅寺立木観音は坂東三十三観音霊場の第十八番札所となっており、夫婦円満や恋愛成就、安産、子宝成就、災難除け、病気平癒などさまざまな現世利益をもたらしてくれる仏様として慕われています。“十一面千手観世音菩薩”は国指定重要文化財です。
五大堂や大黒堂。至る所にある中禅寺のパワースポット
五大堂は不動明王、降三世明王(ごうざんぜみょうおう)、軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)、大威徳明王(だいいとくみょうおう)、金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)という5人の明王が安置されているお堂です。5体の明王はすべての煩悩や誘惑から人々を守ってくれるそうで、すべての敵からの攻撃も追い払ってくれます。撮影禁止なのでぜひご自身の目で見ていただきたいですが、見るからにすごいパワーです。五大堂から見渡す中禅寺湖の風景も中禅寺湖畔では一番だといわれています。
本堂の隣には波之利大黒天堂(はしりだいこくてんどう)があります。波之利大黒天は、勝道上人が日光山を開いた時、波打つ中禅寺湖の上に現れた大黒天で、安産祈願に訪れる人が多いです。また、パートナーの浮気を防止してくれるそうですよ。波之利大黒天は秘仏なので、年6回の特別参拝日(甲子[きのえね]の日)以外はお堂の外からお参りします。
戦前の大ヒット映画「愛染かつら」は、ここでロケが行われた
境内には、大きな桂の木がありここで映画『愛染かつら』(1938年松竹映画)の撮影が行われました。“桂の木の前で愛を誓う高石かつ枝と津村浩三……”ということで、ここは縁結びのパワースポットとして人気です。現在の桂の木は2代目です。
ほかにも、奥日光のパワーが宿る湧き水「延命水」など、中禅寺も中宮祠に負けず劣らずパワースポットの宝庫です。中禅寺湖に来た際には忘れずに参拝しましょう。
日光山中禅寺(立木観音)
- 所在地:栃木県日光市中宮祠2578
- 電話番号:0288-55-0013
- 参拝時間:4月~10月…8:00~17:00、11月・3月…8:00~16:00、12月~2月…8:30~15:30
- 参拝料:大人500円、小中学生200円
- アクセス:
[車]東北自動車道宇都宮ICから日光宇都宮道路清滝IC、日本ロマンチック街道・いろは坂(国道120号線)経由約20分
[公共交通機関]JR日光線日光駅または東武日光線東武日光駅から中禅寺温泉または湯元温泉行きで約45分、中禅寺温泉バス停下車徒歩約20分
温泉がある日光湯元温泉温泉寺は中禅寺の兄弟
温泉らしい温泉、白濁したにごり湯の日光湯元温泉
中禅寺には少し離れたところに珍しいパワースポットがあります。それは奥日光の一番奥、日光湯元温泉にあります。
日光湯元温泉は日本でも有数の湧出量を誇る温泉です。魅力はなんといっても白濁するにごり湯で、温泉ファンを魅了しています。
日光湯元温泉の源泉は、温泉街のすぐ脇の湿原地帯にあります。湯ノ平湿原といい、湯気が立ち上る湿原にはいくつもの小屋が建ち、硫黄の臭いが立ちこめています。小屋一つひとつが各宿などで所有する源泉となっていて、しっかりと管理されているようです。小屋のほかにも小さな泉源がいくつもあり、温泉が小川となって流れています。
温泉は788年に輪王寺を創建した勝道上人が発見したといわれています。泉質は単純硫黄泉(硫化水素型)で、泉温は50℃~80℃と幅があります。泉源の場所で多少温度が違うのでしょうね。色は乳白色でいかにも温泉といった風情で、湧出量は毎分約1800Lと非常に多いです。
温泉入浴ができるお寺「温泉寺」
源泉に隣接して温泉寺が建っています。温泉を発見した勝道上人が創建したもので、中禅寺と同じく輪王寺の別院となっています。もともとは裏山の上にあったのですが、台風で倒壊し1973年に現在の場所に移転しました。移転した際には温泉が引かれ、一般の人でも入れるようにしたため、温泉のあるお寺として有名になりました。お風呂は別棟ではなくお寺の中にありますが、日帰り温泉として誰でも利用できます。ちょっと狭いですが貴重な体験ができますよ。日光湯元温泉を訪ねた際は是非お立ち寄りください。
日光山温泉寺
- 所在地:栃木県日光市湯元2559
- 電話番号:0288-55-0013(中禅寺・立木観音)
- 営業時間:8:00~17:00
- 入浴料:大人500円、4歳~小学生300円
- アクセス:
[車]東北自動車道宇都宮ICから日光宇都宮道路清滝IC、日本ロマンチック街道・いろは坂(国道120号線)経由約35分
[公共交通機関]JR日光線日光駅または東武日光線東武日光駅から湯元温泉行きバスで約1時間15分、終点下車
https://www.rinnoji.or.jp/temple/onsenji/
https://www.veltra.com/jp/japan/tochigi/?sid=1554
norijun
余暇プランナー
雑誌などの取材や撮影で日本全国まわっていたら、いつのまにか47都道府県制覇してました。取材して歩く中で必ず行くのが神社。というのも祖父が仏式から神式に変えたため、行事はいつも神社か神主が来て祝詞を上げるという家柄、お寺には縁がなく、どうしても神社に親しみを感じてしまいます。参拝すればやはりお願い事は必須です。でも神様だって得手不得手はあるので、その神社の神様が一番叶えてくれそうなお願いをすることにしています。