フジテレビおよび、株式会社フジ・メディア・ホールディングスは、2024年10月1日に合同会社フジ・コンシューマ・プロダクツ(以下「FCP」)を新設しました。
FCPは、フジテレビとマスターライセンス契約を締結したうえで事業活動を行い、当初はオリジナルIP(知的財産)の「ガチャピン・ムック」「チャギントン」を中心として、営業・マーケティング・クリエイティブ制作・コンサルテーション等の関連事業領域で、フジテレビによるメディア展開と連動。
将来的にはさらに幅広いIP展開を図り、事業拡大を目指しています。
この度、FCP設立の目的やこれからのキャラクター展開等について、都内でFCP事業戦略発表会が行われました。
FCPの事業戦略発表会
本発表会では、今後を見据えた事業戦略の発表を各部門ごとに実施。
フジテレビアナウンサーの上垣皓太郎さん、岸本理沙さんが司会進行を担い、ガチャピン・ムックやチャギントンが登場するなど、華々しい会となりました。
岸本理沙さんはFCPの主力コンテンツでもあるチャギントンの9代目番組ナビゲーターを務めており、上垣皓太郎さんは『キャラビズジャーナル』にMCとして出演。
FCPと関わりの深いお二方の司会よって、発表会が進められました。
理念は『人の心を耕す』
FCP チーフエグゼクティブオフィサーの石井浩二氏より、開会のご挨拶と会社設立の経緯・目的についての発表がありました。
フジテレビはコント番組や子供番組などキャラクターを作るのが非常に得意な会社であり、フジテレビのIPを駆使したキャラクタービジネスの専門会社をやっていこうというのが始まりなのだそう。
FCPの理念として掲げているのが『Culture』。
カルチャーの語源は「耕す」。
「自分の中にいつもあった言葉でもあり、番組を制作する際には誰の心を耕すのかを考えていた。」
と、石井氏は人気番組を作ってきた思想を明かします。
そしてFCPに関しては「商品、イベント、サービスでお客様の心を耕すことを大切にしていきたい」と宣言。
それを実現させていくのがこの三つの理念。
「カルチャーはブームと違い永続的に続いていくもの。クリエイティブを永続的に続けていき、お客様の心を耕すことを大切にしていく。」
と述べました。
人気IPから生まれるヒット商品の数々
FCP マネージングディレクターの立松嗣章氏からは、IPや人気キャラクターから生まれたヒット商品についてや、その重要性について話されました。
「番組と連動させることがこの会社の強み。」
と話す立松氏。
冒険王が一年前を遥かにしのぐ入場者数を記録し、それを牽引したのがめざましテレビで連動している『ちいかわ』とドッキリGPから生まれた『マッサマン』。
この点からもやはり「キャラクターがもつ力が非常に大事である」と説きました。
この新会社ではガチャピン・ムックやチャギントンをいかに盛り上げていくか。そしてそのためには番組連動が重要であると伝えます。
そこにはキャラクターだけではなく、トリビアの泉から生まれた『へぇボタン』が当時大きな売り上げを記録。またIQサプリの『モヤッとボール』も人気商品となりました。
IPを番組との相乗効果で世の中に広めていくのが大事であり、番組のなかで人気IPを作り上げていくことが重要。そしてまずはガチャピン・ムックとチャギントンを中心として展開していくことを直近の指標として掲げています。
「是非皆様にこの会社を応援していただきたいと思います。」
と呼びかけて立松氏は締めくくりました。
フジテレビには「伸びしろしかない」と感じた
FCP チーフオペレーティングオフィサーの北村彰啓氏からは、より具体的な戦略プランが挙げられました。
ライセンスビジネスの専門知識を持つウォルト・ディズニー・ジャパンから昨年10月1日にフジテレビへ入社した北村氏は、フジテレビへの率直な感想として「伸びしろしかない」と感じたそう。
その理由として、
「フジテレビは歴史のある放送局の会社であり、知名度の高いIPを持っていること」を挙げ、ライセンスビジネスのプロフェッショナル人材で事業を行っていくと打ち出しました。
戦略としては、まずガチャピン・ムックとチャギントンにフォーカスしていきます。
そして「クリエイティブ」「マーケティング」「パートナーシップ」の三つを基盤とします。
徹底的に攻めのクリエイティブを行っていくことを掲げ、世の中のトレンドを意識し明確にテーマを持ったスタイルガイドを年間50本以上開発していくことを宣言。
「そのためには投資を厭わないで、徹底的に投資をしていく。」
と攻めの姿勢を見せました。
マーケティングに関しては徹底的に調査をし、メディアでの露出やデジタルマーケティングを活用していき、ここでも徹底的に投資していくと話します。
そして商品を開発・展開していくライセンシーの方や、商品を販売してくれる小売店の間に入って、安心して商品を仕入れていただくというところがパートナーシップでの理念。
「最終的にはお客様がその商品と出会ってよかったと思ってもらう。そのような関係を築いていく。」
と力説しました。
チャギントンに関してはキッズターゲットで活動していき、ハブとなる商品が必要だと考えたのだそう。
そしてタカラトミーとのコラボレーションにより、チャギントンのプラレールが来年の夏に発売予定。
さらには売り場への戦略も発表。
今後はポップアップだけでなく、常設店舗も視野に入れており、ガチャピン・ムックの売り場を全国200店舗展開することを目指しています。
イベントや展覧会も行っていき、すでにその計画が進められており、
「街をガチャピン・ムックで盛り上げていきたい。」
と展望を明かしました。
ガチャピン・ムック、チャギントンが登場
FCP チーフプロデューサー 石橋広大氏とガチャピン・ムックが登場。
ガチャピン・ムックは昨年でなんと50周年!
お二人は私の大大大先輩だったのですね。
ガチャピンは50周年に対して、
「これまでいろんなことに挑戦してきました!」
とこれまでを振り返ります。
ガチャピンが様々なことにチャレンジしてきたなかで、ムックは一番そばで応援しているという関係性に、
「わたくしとガチャピンが仲良しという関係は全く変わっていませんよ~!」
と仲の良さをアピール。
「どうしてガチャピンは果敢にチャレンジするんですか?」という石橋氏から質問に、
「僕がチャレンジすることで、誰かが少しでも挑戦しようと思ってくれたら嬉しいなと思っています!」
と、ガチャピンは50年間チャレンジし続けてきた想いを伝えます。
そしてガチャピン・ムックは他局の番組にも出演してきており、局の垣根を越えてテレビ業界を盛り上げる存在。
そしてチャギントンも登場。
チャギントンは来年の2025年で地上波放送開始15周年!
岸本アナウンサーはチャギントンについて、
「様々なイベントに参加しているチャギントンですが、老若男女幅広いお客様に愛されていることを実感しました。」
と話し、チャギントンもガチャピン・ムックに負けずに大人気。
「ガチャピン・ムック、チャギントンはこれからも三世代四世代と愛されるキャラクターを目指して頑張っていきますので、これからもご注目ください。」
と石橋氏はコメント。
ガチャピンは、
「僕たちと日本を、そして世界中の人たちを笑顔にしていきましょう!」
と呼びかけました。
ガチャピン・ムックだけじゃない!関西の「ハチエモン」
FCP チーフマーケティングオフィサー 八木章次氏からはマーケティングについて詳しい説明がありました。
ターゲティングではキャラクターごとに調査、分析を通じて現状把握を行っています。
そしてキャラクターごとのブランドガイドラインを制作し、メッセージを発信することでキャラクターの認知を上げていくと説明。
さらにタッチポイントとして、テレビ・デジタルを使い商品を伝えることが重要。
そして来店や購入していただきお客様とのエンゲージメントを高めていき、三つのサイクルを回していくと話しました。
注力していくのは、本発表会で幾度も推されていたガチャピン・ムックにチャギントン。
ガチャピン・ムックに関しては、垣根を越えてテレビやイベントに出演していき認知を図るほか、さらに従来のファンに追加して学生やヤングアダルト層を徹底的に強化。
コアメッセージには「挑戦する人を応援する。みんな友達」を合言葉にしたデジタルプロモーションを計画しています。
さらに4月2日はガチャピン・ムックの誕生日。この日を「みんな友達の日」としてテレビ・デジタルの露出を、そこに焦点を当てて最大化を図るという戦略も発表。
チャギントンについては、現行ターゲットはキッズファミリー。そこをより深堀りし、手数も増やし、認知や好感度へ繋げる施策を行っています。
コンテンツで認知を上げると同時に、イベントなどの実体験へ繋げていくことも計画。
放送・配信などで子供の成長や親子の絆を深めるようなデジタルコンテンツを作っていくことも計画されています。
さらには関西テレビから業務委託を行うことになった『ハチエモン』についても言及がありました。
ハチエモンは来年で30周年を迎えます。
「このハチエモンにとてつもなくポテンシャルを感じている。」
と八木氏はコメント。
なぜならハチエモンは関西地区で80%を超える認知度を持っており、この数字はなんと阪神タイガースのマスコットキャラクター「トラッキー」をしのぐ認知度なのだとか。
今後はハチエモンも全国的な人気キャラクターにしていくと宣言されました。
また、FCP チーフクリエイティブオフィサーの寺﨑純子氏からは、クリエイティブ戦略について説明がありました。
キャラクタービジネスは、「セラピービジネス」だと寺﨑氏は主張し、キャラクターはお客様にとってヒーリング効果があるのだと説明。
キャラクタービジネスは以前はエンターテイメントビジネスでしたが、今ではセラピービジネスの要素が高まっているのだそう。
そしてカルチャーの重要性として、ライフスタイルを挙げます。
そのなかで、コーヒー・サーフィン・キャンプなどで使えるIPを駆使した商品を開発し、ライフスタイルに寄り添ったデザインで多くの人を癒していくそう。
クリエイティブ戦略では、クリエイティブ・カルチャー・カスタマーの3つを強化していき、大人にフォーカスしながら今までの固定概念をアップデートして、常に変化する市場価値にシフトしていくと話し、
「キャラクターの価値を変えていきたい。キャラクタービジネスを通じて、一緒に人類を世界をストレスから救いましょう!」
と伝え、締めくくりました。
私自身もフジテレビのキャラクターや番組に子どもの頃から大きく影響を受けてきました。学生時代にはコント番組の話で盛り上がったり、夏休みに見たポンキッキーズなどは今も自身のどこかで息づいています。
これからもガチャピン・ムックやチャギントン、そしてこれから誕生するキャラクターを応援していきます。
是非皆様も愛すべき国民的キャラクターの活動に引き続き注目していきましょう!