File no. 133
《K・SWISS /ケースイス》
レザーを全面に配した、いわゆる"オールレザースニーカー"は現在、当たり前のデザインとして多くのブランドから展開されている。
そして、それらの多くはコートシューズのデザインを備えていることが多い。
このコートシューズとは、テニスやバトミントンなどのプレーヤーがコート内で着用していたことから、その愛称で親しまれるようになったもの。
そして、やはりこのオールレザーのコートシューズの誕生にもオリジンとなるブランドが存在する。
ということで今回は、世界で初めてオールレザーのパフォーマンステニスシューズを誕生させた《ケースイス》の歴史を紐解いてみる。
《ケースイス》の歴史は、1960年代初頭にシューズカンパニーを立ち上げる夢を追った二人のスイス人兄弟が、アメリカ・カリフォルニア州に移り住んだことから始まる。
テニスプレーヤーであり、スキーヤーでもあった彼らが、高品質なテニスシューズを生み出すためにヒントを得たのはスキーブーツの機能性。
そして新しいテニスシューズの開発へと着手し、1966年に世界で初めてとなるオールレザーのパフォーマンステニスシューズ「ケースイス クラシック」を誕生させた。
この革新的なテニスシューズは、ウィンブルドンテニストーナメントにおいてデビューを果たし、登場直後から世界的に高い評価を獲得。コート内外で一躍注目を集め、瞬く間に人気のシューズ
に。
1970年代に入ると「ケースイス クラシック」のスタイルと機能は世界中のテニスコートやカントリークラブ(スポーツ施設)の定番として愛用された。
1991年にイギリスとヨーロッパ諸国で初めての販売を開始し、翌1992年には"D-R シンチ レーシングシステム"の特許を取得。
この画期的なシステムは、横方向の動きの際、着用者により多くのサポートを提供するマルチリングデザインだった。
1993年になるとエアロビクス市場に参入。
またNBAプレーヤーが着用するバスケットボールシューズのラインナップも初公開した。
その後も幅広くスポーツシューズを手掛け、1990年代後半からはラッパーのアイス-Tの着用をきっかけに、ストリートカルチャーにおいても欠かせないブランドとなる。
2000年代に入っても躍進は止まらず《ケースイス》のサポートするテニスプレーヤーがオリンピックの金メダルに輝くなど、数多くの偉業をサポートしてきた。
もしも、オールレザーのコートシューズを探しているならば、迷わず《ケースイス》の歴史的名作を推したい。