File no. 123
《BARBARIAN/バーバリアン》
日本で開催された"ラグビーワールドカップ2019"を目にして、初めてラグビーというスポーツの素晴らしさに触れた人も多かったのではないだろうか。
屈強な漢たちが広大なフィールドを疾走し、紳士的にぶつかり合う姿は観る者を感動の渦に巻き込んだ。
そんな屈強なラガーマンがフィールドで着用しているのがラグビーシャツ。
そして、このラグビーシャツをファッション界の大定番として浸透させた立役者こそが、今回紹介するブランド《バーバリアン》だ。
《バーバリアン》は、ビル・ハートルという一人の男性の手によって、カナダのブリティッシュコロンビア州で1981年に創業された。
その当時、カナダのラグビーチームが使用していたラグビーシャツのほとんどが英国、オーストラリア、ニュージーランドからの輸入品だったという。
ハートルは、それらのラグビーシャツの品質に疑問を抱いた。
そして"もっとも高品質のラグビーシャツを製造することが可能である"と確信していた彼は、世界に誇れる最高品質のラグビーシャツをつくるため、カナダの市場に出まわっているすべての
輸入品および、北米製品のラグビーシャツを一点一点分解し、製品の品質を調査した。
デザイン、カラー、カッティング、縫製、付属品、生地の質、強度など、あらゆる角度から綿密に調べ上げ、その結果を元にラグビーウエアの生産をスタート。
たった二台のニットマシーンと六人の従業員によって《バーバリアン》は輝かしい一歩を踏み出した。
最高品質を追求して丁寧かつ堅牢につくられる同社のラグビーシャツは瞬く間に人気となり、北米最大シェアを誇るブランドにまで成長。
それに伴いファクトリーの規模も大きくなっていったが、それでも一貫して真摯な物づくりを守り続け、創業から今現在までメイド・イン・カナダの伝統を貫いている。
同社のラグビーシャツの高いクオリティや美しいデザインはラグビーシーンだけに留まらず、ファッションシーンからも熱い視線が注がれ、程なく浸透。
現在は、ファッション史に名を刻む名品、また大定番品として広く認知されている。
写真のラグビーシャツは《バーバリアン》が創業時よりつくり続けているクラシックモデル。
ネイビー、ゴールド、グリーン、レッドを配した、アイコニックなオルタナティブ・ストライプが特徴だ。
アメカジ、ストリート、キレイめなど、ジャンルやスタイルの垣根を超えて世界中で愛され、着用されているラグビーシャツだ。一着は押さえておきたい。