【松田商店】ヤマトハーブコーヒーやアロマオイル“奈良の香り”など企画開発、奈良県産の原料使用【企業探訪】

地域に密着した事業や独自の事業を展開する企業を紹介するシリーズ企画「企業探訪」。今回は奈良県産の自然由来の原料を活用したオリジナル商品の企画･開発を行う松田商店(奈良県奈良市)を紹介します。

奈良県宇陀市産のハーブ「大和当帰(やまととうき)」をブレンドした「YAMATO HERB COFFEE(ヤマトハーブコーヒー)」、奈良の歴史･文化･風景を香りで表現したアロマオイル「奈良の香り」などの商品を企画･開発しています。

「奈良県産にこだわった商品を開発して、奈良県を元気にしたい」と話す竹本順子代表に、開発商品や現在の取り組みについて話をうかがいました。

奈良県産にこだわった商品を開発する「松田商店」

松田商店は1940年から、JR奈良駅から春日大社に続く三条通りに並ぶ猿沢商店街で地域に根差した土産物店として事業を展開してきました。

宿泊客の奈良離れなどもあって、2011年に土産物店を閉店。その後、「奈良県の魅力を発信して資源や文化を未来につないでいく」との想いから、奈良県の資源を活用したオリジナル商品開発に着手。

2018年に2年かけて開発したオリジナル商品「YAMATO HERB COFFEE」を発売しました。現在では、奈良の木と奈良の職人で造るキャンプギアブランド「MiN」の商品企画·開発·運営、ハーブなど奈良県産原材料の調達·加工·卸売といった事業も展開しています。

松田商店は「大和当帰」入りの「天然入浴用ハーブ」、ノンアルコール・添加物不使用のフローラルウォーター「奈良クロモジ天然蒸留水」、エッセンシャルオイル「吉野ヒノキの精油」や、吉野ヒノキをたまごの形に削った「吉野ヒノキのたまご」などのインテリアグッズも企画·開発しています。

2023年には9種類の天然精油をブレンドしたアロマオイル「奈良の香り」を発売。「奈良の香り」を天然発酵エタノールで希釈した「奈良の香り除菌スプレー」、瀬戸内海産国産塩を使用した「奈良の香りバスソルト」も展開しています。

商品は奈良県内のホテル･小売店･道の駅、公式通販サイトやAmazonでも購入できます。

松田商店は奈良県産に特化した素材を使った商品を企画･開発しています。商品開発では添加物を使わずに、自然由来の原料を使うことにこだわっているそうです。

様々な商品の中で、とくに人気を集めているのが「YAMATO HERB COFFEE」と「奈良の香り」シリーズです。

「YAMATO HERB COFFEE」は国産ハーブ「大和当帰」とオーガニックコーヒーをブレンドした風味豊かで後味すっきりに仕上げたハーブコーヒーです。

コーヒーは身体を冷やす飲み物とも言われていますが、奈良県の伝統的な薬草である「大和当帰」と組み合わせることで、温活に利用できるだけでなく、「大和当帰」に含まれるビタミンEやビタミンCなどの栄養素も摂取することができます。

「大和当帰」は奈良県宇陀市で有機栽培された原料を使用。コーヒー豆はペルー産のJASオーガニック認定豆を使っています。さっぱりさわやかでお茶感覚で飲め、とくに女性からの人気が高い商品です。

「奈良の香り」は奈良の歴史･文化･風景を香りで表現したオリジナルのアロマオイル。松田商店の竹本代表によると、開発に1年をかけた「自信をもっておすすめできる商品」です。

110種類の天然精油の中から厳選した9種類の天然アロマオイルをブレンド。添加物を使わず、自然由来の原料にこだわって開発しています。

ブランドコンセプトは「ときを聞く」。時間の経過とともに変化する香りが長く歴史を刻んできた奈良を表現しています。

トップは奈良の華やかな天平文化を連想させる「柑橘系の香り」。ミドルは清々しさや清涼感を感じる「ミント系の香り」。ラストは奈良の奥ゆかしさや風情を感じさせる「吉野ヒノキや吉野杉などの木々の香り」。

想定以上の反応があり、現在はアロマオイルのほか、「除菌スプレー」「バスソルト」なども展開しています。

松田商店では「香りは五感の中で記憶に残るもの」との考えから、「奈良の香り」を使って奈良のリピーターを増やす取り組みを進めています。

奈良県内の道の駅、土産物店、ホテルなどで「奈良の香り」を使って、空間の香りを演出。香りの記憶とともに奈良での良き思い出を持って帰ってもらう。そして、自宅で「奈良の香りアロマオイル」などシリーズ商品を使った時に、奈良を思い出して「また、奈良に行きたい」と思ってもらう。

取り組みを加速させるため、「奈良の香り」シリーズの拡充に取り組み、ハンドクリームの開発にも着手。今後はボディクリームなどの商品開発も行う予定です。

松田商店は「奈良県産にこだわった商品を開発して、奈良県を元気にしたい」との想いで事業を展開しています。

今後は商品の企画･開発だけでなく、猿沢商店街での自店舗の出店も視野に入れているそうです。竹本代表は「生産者と一緒に奈良県産の原料を活用した商品を開発することで、みんなが笑顔になれるよう、これからも奈良県の魅力を発信していきたい」と意気込みを語ってくれました。

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