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北九州へ手ぶら釣り旅。酒好き、レトロ好きにもたまらない、魅力を秘めた街だった。



福岡県はグルメな街……なだけではなく、実は釣り人にとっての聖地でもある。関門海峡の北西に広がる「響灘」、佐賀県から福岡県沖に広がる「玄界灘」は、対馬海流が流れ、国内でも有数の魚影を誇る釣り場。


中でもヒラマサ、ブリといった青物や大型マダイを狙って豪快なファイトを楽しむ釣り、アラやハタ類といった美味な高級魚を狙った釣りは特に人気が高く、関東などから遠征する人も多いのだ。



※出典「北九州釣りいこか倶楽部


とは言っても、釣りクロウトだけが楽しめる場所ではなく、ビギナーでも安心して楽しめる釣りや、手ぶらでOKのオールインワンパッケージも用意されている。今回はGO OUT WEB釣り好きメンバーが、憧れの地での釣りと、北九州エリアのレトロな街歩きを楽しんできた。


玄界灘での釣りのベース地は北九州がおすすめ。


玄界灘での釣りにチャレンジしようと集まったGO OUT WEBメンバー。羽田空港からの直行便で降り立ったのは北九州空港だ。



福岡県北九州市は、関門海峡に面した九州最北端の都市で、交通の便がいいことから、玄界灘で大物を狙う釣り人のベース地としても最高の場所。九州の玄関口として栄えた街で、釣り以外にも「角打ち」、「門司港レトロ」などなど魅力あふれる街なのだ。



北九州から出船して1~2時間ほど沖に走ると憧れの玄界灘。また、港から5~20分ほどの関門海峡でも釣りが楽しめる。関門海峡は、海が時化て外海に出られない時でも釣りができる確率が高い安定した釣場。遠征に行ったものの釣りができなかったとなると残念な気持ちになってしまうので、セカンドチョイスがあるのは嬉しいところだ。


実は、今回の取材チームも、玄界灘で大物を狙おうと意気込んでいたものの、風が強くて船が出せないということで断念。関門海峡でカサゴ釣りに変更となった。そして、待っていたのは、まさかの大爆釣と美味しい料理だった。


 


関門海峡でアラカブが爆釣!


本州と九州を隔てる関門海峡で釣りを楽しむことになった僕ら。朝5:30に小倉駅近くのホテルを出てタクシーで10分ほど走ると、今回お世話になる釣り船「北斗丸」が待機する「大里漁港(だいりぎょこう)」に着いた。



北九州は海と街が非常に近く、市の中心部のホテルに泊まっていてもすぐに釣り船に乗れる便利さが魅力。関東エリアに住んでいる筆者の場合、釣り船に乗るとなると夜中3時頃に起きて出かけることも多いが、港が近い北九州なら寝不足による船酔いも予防できるので嬉しい。



船が港を出ると、同船したインストラクターの方から釣り方を教えてもらっているうちに、釣り場に到着した。北九州市と山口県下関市を結ぶ関門橋を見上げる場所がポイントだ。



狙う魚は、カサゴ。九州では「アラカブ」の名前で親しまれている魚で、アラカブの煮付けや唐揚げは北九州の居酒屋で定番メニューとなっている。釣り方は、サバの切り身やイカゲソを使ったエサ釣り。誘い方なども簡単なので初心者でも楽しめる釣りだ。



さっそく仕掛けを落として竿をあおって誘いを入れると、いきなりアタリが出始め、カサゴが姿を見せてくれた。



小ぶりなサイズも多いものの、時折25センチを超える立派なサイズがかかると、リールも重くなって引きも十分楽しめる。



釣りをしながら、船の移動中は海から眺める下関や北九州の景色もバッチリ楽しみ、あっという間にお昼に。半日アタリが続いて1人あたり30~50匹ほどの釣果となった。僕ら的には大満足の爆釣だったが、秋から早春のベストシーズンで調子のいい時には100匹を超えることもあるというから、どれだけ魚影が濃いのかと驚きだ。



今回一緒に行った釣り初心者の女子もバッチリ釣れていたので、カサゴ釣りは初心者やカップルに特におすすめ。また、関門海峡では5月頃から真鯛やキジハタ(アコウとも呼ばれる高級魚)も狙えるそうだ。


 


釣った魚はレストランで豪華料理に。


今回の釣りのお楽しみはもう一つ。港からすぐ近くにある、海が見える素敵なレストラン「ラ・メール雅」で、釣った魚を調理してもらう。



僕らが釣ったアラカブはシェフの手で料理されて、バラエティー豊かなメニューになってテーブルに並んだ。



九州の甘い刺身醤油で味わう刺身、身がぷりぷりの煮付け、アラカブの旨みが凝縮した味噌汁、サクフワの唐揚げ、鍋料理など、これだけ自分で作ろうと思ったらとても大変だ。



その一つ一つが美味しくて、釣りたて新鮮な味を満喫し、最高の思い出となった。


「北九州釣りいこか倶楽部」に任せれば楽チン。


実は今回のカサゴ釣りは、遊漁船の予約からレストランでの調理までの全てを「北九州釣りいこか倶楽部」でオーダーした。



北九州釣りいこか倶楽部は、2018年6月にスタートしたばかりのお手軽海釣りパッケージプラン。遊漁船の予約から、釣具のレンタル、フィッシングガイドの手配、釣った魚の下処理・調理・宅配、宿泊まで、オールインワンのパッケージでも、好きな組み合わせでも、自分のスタイルに合わせて利用できる、ありがたいサービスなのだ。



釣りプランの予約問い合わせはWEBサイトから可能で、最新の釣果なども掲載されているので見ているだけでも楽しい。また、電話でじっくり相談することもできる。釣具店「釣具のポイント」でお馴染み、北九州に拠点を構える株式会社タカミヤが運営しているので、地元の釣りに詳しいスタッフに相談しながら決めることができるのも嬉しいところだ。



ちなみに、筆者は旅先で釣った魚を料理してくれる居酒屋を探して、何軒もお店をまわってお願いした経験があるので、こういったパッケージはとてもありがたい。調理オプションは、おまかせコースなら刺身1~2種とおまかせ料理3品+ワンドリンク付きで2900円、満腹コースなら刺身2種以上とおまかせ料理5品+ワンドリンク付きで3850円だ。




街歩きも楽しい北九州。まずは門司港へ。


さて、九州の玄関口として、国際港として栄えた歴史がある北九州は、釣り以外にも観光や街遊びもしっかり楽しめる。釣りの後は街歩きもしっかり楽しんできた。まずは、門司港エリアを散策。



門司港は、明治時代初期に開港。明治から昭和初期にかけて建築された、趣ある建物が今でも残っているエリア。



なかでもレトロな姿が魅力のJR門司港駅は、創建時(大正3年)の姿に復原する保存修理工事が終了し、2019年3月10日にグランドオープンしたばかり。



駅周辺には、外国貿易で栄えた時代の建造物を中心に、ホテル・商業施設などを大正レトロ調に整備した観光スポット「門司港レトロ」として整備されていて、焼きカレーなどのご当地グルメも楽しめる。


 


レトロな雰囲気の旦過市場。



小倉の市街地のど真ん中にあって、行きやすいのが小倉の台所「旦過市場(たんがいちば)」。昭和レトロな雰囲気が魅力の市場で、鮮魚店、鯨肉専門店、お惣菜屋など110軒ほどの店がひしめき合う。



この日は残念ながらお休みだったが、必ず訪れたいのが「大學堂」。



ここで「大學丼」を注文すると、白米をよそった丼を片手に市場を巡り、各店舗で好みの具材を買って、自分だけのスペシャルな丼を食べられる。



オススメは北九州市の郷土料理「ぬか炊き」。



「ぬか」を煮付けのだし汁としてイワシやサバなどを炊いた料理で、いくらでもご飯が進んでしまう。市場には、ぬか炊き専門店もいくつかある。



ちなみにこの市場は、大正時代、すぐそばを流れる神嶽川の荷揚げ場として栄えたのがはじまり。今でもその名残は残っていて、市場を裏側から見ると川の上に建物が建っているのが分かる。


 


角打ち巡りで地元の人と交流。


北九州の夜の楽しみが「角打ち(かくうち)」巡り。酒屋の店先で飲むことを角打ちといい、北九州市内には、この角打ちができる酒屋が約150軒もあるという。



もともとは製鉄所などのシフト制で働く人たちが昼夜を問わず飲めるように数多くの角打ちが生まれたとのこと。その魅力は、まず安さ。瓶ビールが300円台で飲めたりする。アテは缶詰や乾きものが中心だが、僕らが行った角打ちの1つ「井手商店」はおでんが絶品だった。



また歴史の長い角打ちも多く、雰囲気はレトロ。狭い空間で飲むので、周りの人とのコミュニケーションも生まれやすくて、旅情に花を添えてくれる。ちなみに、北九州には釣りを趣味としている人が多いので、思わず釣りトークに花が咲くこともあるかも。



朝の釣りから夜の角打ち巡りまで北九州を満喫した僕らだったが、帰って来た翌週に「北九州釣りいこか倶楽部」の釣果情報をのぞいてみると、北九州近海で釣り上げられたブリが釣り人の誇らしげな顔とともに紹介されていた。次こそは玄界灘の大物釣りのリベンジを果たしたい。


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