大阪のベッドタウンにある超大型のホームセンターと、兵庫県の中南部に構えるロードサイドのショップ。関西中のD.I.Y.フリークを魅了する2軒を、電車やバスを乗り継いで1日で巡るのはなかなかにハードなスケジュール。
ただクルマだと移動はたったの1時間30分。今回は、人気連載「ワンデイドライブ」の番外編として関西のD.I.Y.の名店を、デザインや設計施工のプロとして活躍するサカタカズヤさんがナビゲート。

まず最初に向かったのはフロム宮崎の超大型ホームセンター「HANDSMAN(ハンズマン)」。売り場面積6000坪、品揃えは驚異の28万品目というのは、D.I.Y.好きでもなかなか知らない人も多いとか。
そんな西日本最大級のホームセンターに加え、無骨なツールを揃える兵庫県三木市の「WHATNOT HARDWEAR STORE(ワットノットハードウエアストア)」にも潜入しました。
愛機を積んで日本各地をフレキシブルに移動。

ショップだけでなく個人邸や飲食店などの空間デザインを手掛けつつ、気鋭のアーティストと二人三脚で展示をサポートするアートインストーラーとしての顔も。さらにウッドを駆使した什器ブランド「sikuchi」のデザイナーとしても活躍するマルチな才能の持ち主。クルマには常に愛用するマキタの工具を積載し、日本中に点在するクライアントのもとへ愛車で足を運ぶというアクティブ派。
Instagram:@kazuyayazuka、@sikuchi_woodworks
この日のワンデイドライブは、朝にハンズマンで集合。「おはようございます!」とパーキングに入ってきたカズヤさんが乗るのは、洗練されたエクステリアが印象的なポルシェ・カイエンの4WDタイプ。
都会的なデザインながらも、運転範囲は都市部だけでなく、北は北海道、南は宮崎と、このクルマを使ってどこへでも駆けつけるそう。走行距離はたった1年半でなんと10万キロ!!
「雪山の旅館も手掛けているので、劣悪な路面でも走れる四駆は頼もしいんです。アクセルを踏むとスッと走り、長距離の移動でもストレスフリー。どこへでもこのクルマに乗って移動するので、気付けば走行距離がかさんでました(笑)」。
誰もが圧倒されるD.I.Y.のテーマパーク。

ハンズマン松原店に一歩入ると広大な吹き抜けが出現し、隙間を埋めるようにグリーンを配置。まるでジャングルのような空間で出迎える圧巻のエントランスは、とてもワクワク感させてくれます。

「このお店ができる前は、よく仕事ついでに九州の支店に通ってたんです」と言うカズヤさん。松原にオープンしてからは、「ここに来ると絶対に必要なものが見つかります」と、施工で必要なものの多くはここで調達するそうです。
「他のホームセンターにはない“かゆい所に手が届く”品揃えは圧巻です」。その言葉を確かめに、カズヤさんといざハンズマンに入店。
まず店内に入るとカズヤさんが手を触れたのが、日本が世界に誇る工具メーカー・マキタのコーナー。「ジブンはマキタのヘビーユーザーなんですが、ハンズマンはプロユースの大型工具だけでなく、趣味でD.I.Y.を楽しむユーザーのための工具も販売しているのが魅力ですね」。
軽量なうえにコンパクトなサイズ感のペン型インパクト。「大きいものって真っ直ぐに打ちにくいので、ビギナーであれば扱いやすいこのサイズがベストです」。
その奥に展開されているのがネジのコーナー。何万本も所狭しと並ぶネジは、何と1本から購入が可能とのこと。「めちゃくちゃ親切ですよね。『試しにこれでも買っとこ』とライトなキブンで買い物ができるんです」。
店内を歩いているとふと足を止めたカズヤさん。木材と配管を組み合わせた室外機カバーを見つけ、「こういった作成例があるのも嬉しいんです。良い見本が展示されているので、D.I.Y.でもジブンが理想とするものが作りやすいんじゃないでしょうか」。
「ここに来ると一つだけ困ることがあるんです。長居しすぎて帰られへん」と、工具を購入するついでに日用品も同時にチェック。トイレットペーパーやティッシュペーパーは手触りが体感できるように、それぞれパッケージから出して展示するこだわりっぷり。
たっぷりと店内をまわってそろそろ退店しようとしたところ、「ジブンのブランドで移動式のラックを作るのですが、それに使うレンチを見ても良いですか?」と、ツールのコーナーへ。手に取ったモンキレンチは先端の厚さが2mmにデザインされた超薄型。
「キャスターを固定する道具って意外にも少ないんですよ。ユーザーひとりひとりのニーズに寄り添った“探せば何でも見つかるラインナップ”に、『かゆい所に手が届くホームセンターだなぁ』といつも感心させられるんです」。

住所:大阪府松原市新堂4-1139
電話:072-332-3715
HP:www.handsman.co.jp/shop/matsubara/
ハンズマンを後にしたカズヤさんが次に向かうのは、金物の産地・兵庫県三木市を拠点とするワットノットハードウエアストア。山陽自動車道の三木・小野I.Cを降りてすぐのロードサイドにショップを構えています。
男のロマンが詰まった無骨なツールの数々。

ハンズマン松原店から兵庫の「WHATNOT HARDWEAR STORE(ワットノットハードウエアストア)」まではわずか1時間30分。電車だと3時間ほどの時間を要しますが、クルマだとスムーズに移動が可能です 。
ショップに到着するとスタッフの髙橋 翔太郎さんが「よう、カズヤくん」とお出迎え。聞くと過去に髙橋さんの自邸をカズヤさんの会社が設計・施工を担当した旧知の仲だったようです。
ショップは見渡す限り、無骨なグッドデザインが並べられた男心をくすぐるラインナップに。その中でもカズヤさんを魅了したのが、「DEWALT(デウォルト)」と「TOUGHBUILT(タフビルド)」といったアメリカ発のツールブランド。
「日本でもなかなか見られないヘビーデューティなツールがカッコいい。使ってるだけで『これどこのん?』と聞かれてマウントが取れそうですよね(笑)。質実剛健として見た目が物語るように、キャンプでもタフに使えると思います」。
中でもタフビルドは拡張パーツが充実。スタッキング式の収納ボックスをベースに、容量が異なるポーチのジョイントが可能に。買い足す楽しみも味わえるとか。
奥のフロアには素早く瞬時に折り畳める名物の“ワンタッチバケット”をはじめ、ミリタリーのエッセンスを感じさせるオリジナルのアイテムが並んでいます。
中でもカズヤさんを魅了したのは、ワットノットのベストセラーモデルである“タクティカルスチールテープ”と、脚立のパイオニアである長谷川工業とのコラボでデザインされた“脚部伸縮足場台”、牛革を用いたエイジングが楽しめる“ワークグローブ”の3モデル。


「メジャーは5.5mなのがポイントで、7.5mだと重くて使いにくく、3.5mだと短くて。脚立は別注だけのサンドベージュの色味が素敵。グローブは装着するとビックリ。厚みがありながもしなやかで、細かな作業もストレスなくできそうです」。
どのオリジナルも毎日のように現場へと繰り出すカズヤさんも納得のクオリティ。それもそのはず。空間デザインを生業とするデザイナーがオリジナル製品を企画しているとか。
「髙橋さんに聞いたのですが、D.I.Y.で作りたい家具や什器をスタッフさんに伝えると、使うべきアイテムを教えてくれるうえ、作り方のアドバイスもしてくれるんです。お客さん思いの接客スタイルもワットノットの魅力じゃないでしょうか」。
じっくりと店内を見てまわり、カズヤさんは“脚部伸縮足場台”と“ワークグローブ”のほか、養生マットやカッターナイフなどを爆買い!! 「実際に現場でも使いますし、何よりアトリエに置くだけで画になる、テンションを上げてくれるアイテムばかりなんです」。

住所:兵庫県三木市大村530
電話:0784-83-2088
HP:whatnot.theshop.jp
2店舗を行き来して出会うジブンの好きな物。
超大型のホームセンターと、インディペンデントなローカルショップ。まったくタイプの異なるお店を巡ってみてどうだったのか? ワットノットに併設されたカフェでコーヒーを飲みながら、ショッピングを終えてチルするカズヤさんに感想を聞いてみました。
「なんでも手に入るハンズマンと、こだわり抜いた商品が多いワットノット。『D.I.Y.は気になるけど、どんなものを買えば良いか分からない』という方は、絶対に2店舗ともに通ったほうが良いですよ。両方を行き来することで、ジブンの好きなものに絶対に出会えると思います」。
Photo/Masahiro Yoshimoto
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