スノーボードの始祖にして、いまなお業界を牽引するBurton(バートン)。毎年冬が近づくたび、その動向をGO OUTでも追っているブランドですが、こちらの記事でも書いたように、最近はさまざまなフィールドで活用できるウエア&ギアを展開しているみたい。とはいえ「トレンドに応じて」といったことではなく、どれも、あくまでライダーたちのライフスタイルにゆかりある山とその周辺で使えるアイテム。ブランドの価値観やスノーボードへの愛を感じずにはいられません!
さて今回は、そんなバートンのショップへ、久々に行ってみました。スノーボードとその周辺で使える新作たちをチェックし、とくに意外性のあった隠れた名品を中心にピックアップ。案内してくれたのは、バートン フラッグシップストア 長野のストアマネージャー・塩川さんです。
01. ブーツ選びよりむしろ大事︎ 機能満載ソックス。
「バートンでは、ソックスだけでもかなりの種類を扱っています。これは、何年か前に日本で作りはじめたモデルで、さまざまな有名ブランドのソックス生産も請け負っている長野市の工場で作られています」
「全体のデザインは一見シンプルですが、ディテールは盛りだくさんです。まず、血流を上に流してくれるように、くるぶしから履き口にかけて広がる着圧設計。かかとの位置がズレにくいようリブで萎んでいたり、つま先ではなく母子球のところに体重がかかるスノーボードの動きを想定して足裏に滑り止めを配していたり、ブーツのストラップが当たる甲部分は前傾したときにシワが寄らないようにやはりリブになっていたり……と、ライドの快適性を考え抜かれて行き着いたデザインです」
「スノーボードのアイテムのなかで、いいモノを使うほどパフォーマンスの違いが顕著に表れるのって、意外とソックスだったりします。ブーツの履き心地が悪いと、どうしても『ブーツのサイズやストラップが悪いのでは?』と考えがちですが、私たちスタッフがまず訊くのは『どんなソックスを履いていますか?』ということ。アウトドアではベースレイヤーが大事なように、肌にもブーツにも直接触れるソックスは重要です。ちなみにこの日本製ソックスは、バートン創設者ジェイク・バートンも気に入って自身のコレクションラインにも加えたもの。お墨付きです」
02. 新発想な、伸びるベルト。
「ただのベルトに見えて、じつはストレッチ性があるんです。伸びるベルトって案外見つからないアイテムですし、そもそもベルトって伸びちゃダメなイメージがありますよね? でも、スノーボードではかがんだりする動作が多いので、ベルトが伸びると締め付けのストレスが軽減されます。それは、キャンプなどの外遊びでもきっと一緒ですよね。『最近オナカが出てきたな……』なんてパパにもいいかもしれません(笑)」
大人用ですが、子どもでも使えるサイズです。アウトドアウエアは子ども用でもウエストがゴムじゃないものがあったりするので、そういうパンツには、このベルトをつけるのがおすすめ。大人が手を借さなくても脱ぎ履きしやすくなります。ちなみにバックルは、ヘルメットなどに用いられる『フリックロック』というマグネット仕様です」
03. ゲレンデ前後、“着っぱなし”でいいフリース。
「子を持つパパ・ママにおすすめのアイテムといえば、このフリースセットは私の家庭でも非常に重宝しています。保温性はもちろん、透湿性と吸汗・速乾性を備えた本格スペックで、それでいて縫い目はやわらかく生地に伸縮性があるので、子どもにも安心して着せられます」
「7歳の息子とはゲレンデにも一緒に出かけるのですが、その前日から帰りまで、着っぱなしにさせています。もちろんキャンプウエアとしても部屋着としてもピッタリですし、スノーボードをしない友人家族へのプレゼントとしても、きっと喜ばれますよ!」
04. トレンドのバラクラバも一体化! ゴーグルも吸い付くベースレイヤー。
「スノーボード用のバラクラバは、最近はゲレンデ用のファッショナブルなマスクとして考えるひとも多いようで、とくに人気です。バートンや[ak]からも、厚手のニットや薄めのフリース素材のものなどさまざまありますが、フェイスマスクとウエアが一体化したベースレイヤーなんていうものもあります」
「このベースレイヤーは、体温に反応することで常に快適な環境を提供するLiving Lining®を搭載した4WAYストレッチ生地を採用。フード、ネックウォーマー、フェイスマスクの機能が一体化していて、シーンに応じてそれぞれを組み合わせて使えます」
「また、専用のマグネット芯をフェイスマスクに差し込むことで、Anon(アノン)のゴーグルと吸い付くようにアタッチするスグレモノ。小気味いいギミックがクセになりますよ!」
05. コンテナみたいに使える、大容量ダッフル&バックパック。
「トラベル系のバッグも紹介させてください。いずれウエアやギアがタップリ入る大ぶりのサイジングが特徴で、収納に便利なコンパートメントも充実しています」
「たとえばヘルメットやブーツなどの嵩張るアイテムが入る専用のコンパートメントや、防水・防汚素材を裏地に使ったスペースなど、キャンプや水辺でのアクティビティでも使いやすい設計になっています。ダッフルの方はドカンと大きいコンテナみたいなフォルムなので、クルマの荷台に積んで使うのも良さそうです」
06. ペラペラの中綿が、ありそうでない。絶妙保温力のライナージャケット。
「最後に、街でも機能的に使えるウエアを紹介させてください。ソフトシェルのシャツジャケットは、やわらかな肌触りのDRYRIDE Mist-Defy撥水素材を採用した4WAYストレッチ生地で、かなりよく伸びるのでアクティブに動く日にはもってこいです」
「これにはインサレーションのライナーベストがついていて、3WAYで使用可能。僕は、シャツを街で着て、ベストはゲレンデで使って、と別々のシーンで使うことがほとんど。ちなみにベストを上からレイヤードすることもできます。で、このベスト、とにかく薄さがちょうどいいんです!」
「ペラッペラですよね。中綿は40gしか入っていません。でも、しっかり動いて汗ばむライドのときには、これくらいが本当にちょうどいいんです。この薄さだけはカタログやウェブ画面では伝わらないので、実際にお近くのショップに触りに行ってください!」
掘れば掘るほど、隠れた名品はまだまだ出てきそう!
ストレッチ性のあるベルトや絶妙な薄さのインサレーター、トレンドのバラクラバが一体化したウエアなど、今回紹介したのは、意外性がありつつスノーボードとそれ以外でクロスオーバーに使えるウエア&ギアの、まだほんの一部。スノーボードの代名詞であるバートンですが、街やキャンプで使うことをイメージしながら探せば、隠れた名品がまだまだ見つかりそうです!
Photo/Shintaro Yoshimatsu
(問)Burton tel:03-4316-4709 burton.com
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