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三菱アウトランダーPHEVは12月発売。待望の3列シートも追加した劇的進化!



10月28日に正式発表された三菱アウトランダーPHEV。12月16日から発売が開始となる。現在は先行注文を受付中で、発売までに注文すると4種類の「選べるオプションプレゼント」が進呈される。

三菱アウトランダーPHEVがついにフルモデルチェンジを果たした。20インチの大径ホイールを履きこなす存在感は、三菱のフラッグシップSUVにふさわしいもの。待望の3列シート・7人乗りの追加も朗報だ。価格は462万1100円〜532万700円で、12月16日から発売が開始される。


「威風堂々」がコンセプト。力強さと上質さを増した三菱のフラッグシップSUV


新型アウトランダーPHEVのコンセプトは、「威風堂々」だ。それを実現するための要素が、一回り大きくなったボディと力強いエクステリア、上質さを増したインテリア、そして進化したPHEVシステムである。


先代は2013年の発売以降、2020年までの累計販売台数がもっとも多いPHEVだった。新型にかかる期待も大きい。

先代は2015年に内外装の変更を実施、2018年にはPHEVを2.4L化するなどの改良が行われてきた。これらは力強い加速性能、悪路での信頼感、そしてビジュアルも含めた三菱らしさを強化するものであり、新型もその延長線上にある。そうした力強さや頼もしさの進化を一言で表すコンセプトが「威風堂々」だという。

エクステリア:先代から全幅は60mm増。自慢は迫力の20インチホイール


まずボディサイズからチェックしてみよう。新型は全長4710mm×全幅1860mm×全高1745mmというスリーサイズ。先代から全長は15mm、全幅は60mm、全高は35mm拡大された。また、ホイールベースも先代が2670mmなのに対して、新型は2705mmと35mm長くなった。


アウトランダーはPHEVのみのラインナップで、競合車と比べると価格帯は高くなりがち。そこで少し上のクラスとも競合できることを狙ったのもサイズアップの要因の一つだ。


新型はエクステリアの雰囲気もガラリと変わった。三菱のデザイン言語であるダイナミック・シールドを新世代化させた「ボールド・ストライド」と呼ばれる新しいデザインコンセプトを採用している。


フロントマスクは、薄型のデイタイムランプとターンランプを最上部に配置して被視認性を向上。その下の左右両端にはヘッドライトを、配置してボディのワイド感を強調している。


上からデイタイムランプ/ポジションランプ、ターンランプ、ロービーム、ハイビーム、フォグランプという順番でランプが配置される。

ボディサイドは水平基調で、ショルダー部に刻まれたキャラクターラインが特徴だ。飛行機の垂直尾翼をモチーフにしたというDピラーも目を引く。


筋肉質な前後フェンダー、エッジの効いたキャラクターライン、飛行機の尾翼をモチーフにしたDピラーに注目。

そして、新型の力強さを表現するアイテムの代表例が、20インチの大径ホイールだ。ライバル車の1台といえるトヨタ・ハリアーは19インチが最大サイズなので、新型アウトランダーPHEVが一歩リード。同じクラスでほかに20インチの採用例があるのは欧州プレミアムブランドのSUVくらいだ。


表面の切削光輝仕上げが美しい20インチホイール。インチアップにともない、ブレーキディスクも先代から大径化されている。

リヤビューの見どころは、背面式スペアタイヤをモチーフとした「ヘキサガード・ホライズン」。六角形の造形がSUVらしい走破性の高さを表現している。横長のテールライトもワイド感の強調に一役買っている。


テールゲートにあしらわれた六角形の断面は、パジェロなど往年のクロカン4WDが装着していた背面スペアタイヤがモチーフ。

インテリア:待望の3列・7人仕様が登場。質感向上・装備の充実も目覚ましい


インテリアは質感が格段に向上したことが一目瞭然で、開発者は「一クラス上のキャビン」を実現したという。インパネは車体姿勢の変化をつかみやすい水平基調の造形「ホリゾンタル・アクシス」を進化させて採用。前方視界にも優れており、いかにも運転がしやすそうだ。


乗員がよく触る部分には質感の良いソフトパッドを配置し、その上には本ステッチをあしらった。また、センターコンソールの上面には本物のアルミパネルを採用している。ダイヤルやスイッチ類は操作時の節度感にもこだわった。こうした上質さに対する取り組みは、「三菱タッチ」という考え方に基づいてデザインされたものだ。


水平基調のインパネは見晴らしも質感も上々。センターコンソールにはスマホの非接触充電器も設けられた。写真は最上級グレードで、サドルタンのアクセントカラーが随所にあしらわれている。

メータは12.3インチのフル液晶タイプを標準装備。大画面を活かして、ナビ画面や音楽のジャケット写真、ドライブモードなどさまざまな情報を選択・表示することが可能だ。ワイパーやヘッドライトの状態がポップアップ表示される機能も備えている。フロントウインドウに投影されるヘッドアップディスプレイも10.8インチの大画面で、運転時に視線を大きく移動することのないよう配慮が行き届いている。


三菱初採用の12.3インチ・フルカラー液晶メーター。アナログ2眼メータをモチーフとしたクラシックモードと、先進的なグラフィックを採用するエンハンスモード(写真)に切り替えられる。

走行情報、ナビ情報、オーディオ楽曲情報などを表示可能なヘッドアップディスプレイ。10.8インチと大画面であることに加えて、焦点距離が2000mmに設定されており視点移動が少なく済むので見やすい。

室内の快適性向上も目覚ましい。1列目のカップルディスタインス(運転席と助手席の間)は25mm広がったほか、1列目の足元スペースは約26mm、2列目の足元スペースは28mmほど拡大。足元スペースは競合車を凌ぐものとなった。


シートへのこだわりも少なくない。1列目シートは座面・背面・サポート部で目的に合わせたクッションの硬さを使い分けるなど座り心地を向上。2列目シートは十分なクッション厚みを確保した立体的な形状で、サポート性と座り心地を両立した。2列目は装備も至れり尽くせりで、シートヒーターやロールシェード、1500WのコンセントやUSBポートなどが備わる。


新型でPHEVモデルで待望の3列目シート・7人乗車を実現したこと。リヤモーターコントロールユニットをリヤモーターと一体化したことで、3列目シートのスペースが確保できた。このユニットはキャビン外側に配置されるため、車内へ伝わる高周波ノイズの低減にも貢献している。


2層ウレタン構造を採用して形状を最適化した1列目シート。サイドサポートは大型化されるとともに硬度をアップし、ホールド性を向上している。

2列目シートはウレタンパッドの硬度・形状・厚みを最適化。さらにサポートワイヤーの最適配置で快適な座り心地を実現した。

限られたスペースのため薄くコンパクトなクッションを採用する3列目シートだが、お尻の形に合わせたサポート材を設定することで座骨に集中する圧力を軽減している。

3列目シートを床下に格納すると、先代を6L上回る469Lのラゲッジスペースが出現する。荷室幅は70mm、荷室高さは60mmも高くなっている(荷室奥行きは同等)。大型スーツケースを3個も積載することが可能だ。ちなみに新型では2列シート・5人乗車のモデルも従来同様に設定されている。


3列目使用時のラゲッジルームはご覧の通り。9.5インチのゴルフバッグが1個収まる。テールゲートはつま先をバンパー下にかざして電動開閉が可能。

3列目シートは4ステップで折りたたみできる。この状態なら9.5インチのゴルフバッグは4個積める。

メカニズム:バッテリー容量増で87kmのEV走行が可能に。ボディ剛性も大幅アップ


新型はプラットフォームも刷新された。先代はエクリプスクロスやRVR、デリカD:5と共通のものを使用していたが、新型のプラットフォームは日産&ルノーとのアライアンスで新開発されたもの。3社の要件を出し合い、それらをすべて満足させられるようプラットフォームリーダーの日産と開発を行ったという。


新型プラットフォームの採用に伴い、ボディの曲げ剛性は26%アップ、ねじり剛性は33%アップ、シャシー剛性はフロントが17%アップ、リヤが40%アップと大幅な高剛性化を実現。ステアリング操作時の車体のたわみが抑えられたため、ドライバーとの一体感が向上している。


サスペンションは、リヤに新形式のマルチリンクを採用。また、ワイドになったフロントトレッド(53mm増の1593mm)やデュアルピニオン方式のステアリングアシストと相まって俊敏な応答性と滑らかな操作性を両立している。


アッパーボディには三菱初となるホットスタンプ式超高張力鋼板(1470MPa)をキャビン周りに採用する。ちなみにホットスタンプとは、鋼板を加熱した状態でプレス加工し、それと同時に金型との接触による冷却で焼き入れを強化することで高強度化を図るというもの。ボンネットにはアルミ、フェンダーには樹脂を用いるなど軽量化も留意されている。


PHEVシステムも進化を遂げた。バッテリーは20kWhに増量(先代は13.8kWh)され、EV走行可能な距離(等価EVレンジ)は最大87km(WLTCモード)に向上。ヒートポンプ式エアコンの採用により、暖房使用時の電費も向上している。また、アウトランダーPHEVはV2H機器を通じて住宅へ電力を供給することが可能だが、その給電可能時間も新型では12日に増えている(先代は10日)。


さらに、成形自由度の高い樹脂製燃料タンクの採用によって容量を56Lに増量(先代は45L)。EV走行とハイブリッド走行を組み合わせた合計航続距離は1000km超えを実現した。


また、前後モーターの出力は40%向上。フロントモーターは60kWから85kWに、リヤモーターは70kWから100kWへとそれぞれ強化されている。アクセルペダルだけで加減速が可能なイノベーティブペダルオペレーションモードの採用も新型の特徴だ。


ツインモーター4WD方式のPHEVという基本システムは先代と同様だが、各部が大幅に進化。モーター出力向上、電池容量・燃料タンク容量増、コンポーネントのコンパクト化などが行われた。

アウトランダーPHEVは急速充電にも対応。約38分で80%充電される(急速充電器の最大出力電流が105A以上の場合)。普通充電(AC200V/15A)なら約7.5時間で満充電となる。また、エンジンで発電して充電する場合は約94分で80%される(停車中の場合)。

走行性能:モーター出力増で加速はさらに力強く。7つの走行モードも新採用


三菱独自の4輪駆動制御技術、S-AWC(スーパー・オール・ホイール・コントロール)も進化した。新型ではブレーキAYCを後輪にも採用。左右輪のブレーキ制御によるトルクベクタリングを前後輪で行えるようになったため、車体のコントロール性能と回転性能がいっそう高まった。


新型では加速フィーリングをよりEVに近いものとした。アクセルの踏みはじめからクルマが反応するまでのレスポンスを向上させるとともに最大加速Gを向上、さらにその最大加速Gを維持することで、滑らかかつ力強い加速を体感することができる。


0-100km/h加速は先代が10..5秒なのに対して新型はノーマルモードで10.2秒、パワーモードでは8.2秒に短縮された。


ツインモーター4WDに加えてアクティブスタビリティコントロール(ASC)、アンチロックブレーキシステム(ABS)、アクティブヨーコントロール(AYC)を統合制御するスーパーオールホイールコントロール(S-AWC)は新型でさらに進化。ブレーキ制御が前輪だけでなく後輪にも追加されたことで、滑りやすい路面でよりAYCの効果を発揮させられるようになった。

新型では7つのドライブモードを自由に選択できる。センターコンソール上のダイヤルスイッチを切り替えると、エンジンやモーターのレスポンス、四駆制御、ブレーキ制御、ステアリングの操舵力といった制御が統合して変更される。


走行モードの選択ダイヤルはセンターコンソールに配置される。ダイヤル中央のスイッチはヒルディセントコントロール用。

基本はノーマルだが、路面状況に応じた4種類のテレインモードを用意。山岳舗装路で俊敏な走りを披露するターマック、濡れた路面や砂利道で横滑りやスリップを抑えてスムーズに走れるグラベル、滑りやすい雪道でも安心して走れるスノー、ぬかるみや深雪でもスタックせずに走れるマッドとなる。そのほか、運転スタイルに応じて経済的に走れるエコモードやパワフルさが増すパワーモードも選択可能だ。


こうした未舗装路ではグラベルモードが有効だ。

機能装備:ナビと連動した機能を追加。SOSコールも緊急時に頼もしい


先進運転支援システム「MI-PILOT」も進化。新たに速度標識を認識して設定速度を自動で切り替えたり、地図情報を活用して高速道路のカーブや分岐で適切な車速に自動で調整する機能が追加された。また、渋滞時に停車後30秒以内なら自動発進してくれるのもうれしい新機能だ。


三菱コネクトの採用も新型のトピックだ。SOSコールは、事故や故障時に天井のボタンを押すと専用コールセンターに接続されて救助を依頼することが可能。なお、エアバッグが展開した場合は自動的にコールセンターに接続される。


スマホとの連携機能も豊富。駆動用バッテリーの走行可能距離や自車の駐車位置が確認できるほか、充電時刻の設定や充電し忘れ通報といった機能も備わる。


価格:劇的進化にもかかわらず先代同等の価格帯をキープ


新型のグレードは3つ。もっともベーシックなMは5人乗り仕様のみ。20インチホイールが標準となるミドルグレードのGは5人乗り仕様と7人乗り仕様が選べる。セミアニリンレザーのシートやBOSEオーディオが標準となる最上級のPは7人乗り仕様のみとなる。それぞれの価格は、以下の通りだ。


M(5人乗り) 462万1100円

G(5人乗り) 490万4900円

G(7人乗り) 499万6200円

P(7人乗り) 532万700円


ちなみに先代の価格は436万4800円~529万4300円だったので、新型はほぼ同等の価格帯をキープしていることがわかる。機能の大幅向上を考えれば、新型はコストパフォーマンスも一級品だ。


新型のボディカラーはツートーンが2種類、モノトーンが8種類となる。写真右は「ホワイトダイヤモンド」、写真中央は「ブラックダイヤモンド」。写真左の「レッドダイヤモンド」に続く、ダイヤモンドシリーズの新色だ。


三菱アウトランダーPHEV P・主要諸元


■ボディサイズ

全長×全幅×全高:4710×1860×1745mm

ホイールベース:2705mm

車両重量:2110kg

乗車定員:7名

最小回転半径:5.5m

燃料タンク容量:56L(無鉛レギュラー)


■エンジン

型式:4B12 MIVEC

形式:水冷直列4気筒DOHC16バルブ

排気量:2359cc

ボア×ストローク:88.0×97.0mm

圧縮比:11.7

最高出力:98kW/5000rpm

最大トルク:195Nm/4300rpm

燃料供給方式:ECI-MULTI(電子制御燃料噴射)


■フロントモーター

型式:S91

定格出力:40kW

最高出力:85kW

最大トルク:255Nm


■リヤモーター

型式:YA1

定格出力:40kW

最高出力:100kW

最大トルク:195Nm


■動力用主電池

種類:リチウムイオン電池

総電圧:350V

総電力量:20kWh


■シャシー系

サスペンション形式:Fマクファーソンストラット・Rマルチリンク

ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク・Rベンチレーテッドディスク

タイヤサイズ:255/45R20


■燃費・性能

【ハイブリッド燃料消費率】

WLTCモード:16.2km/L

市街地モード:17.3km/L

郊外モード:15.4km/L

高速道路モード:16.4km/L

EV走行換算距離(等価EVレンジ):83km

充電電力使用時走行距離(プラグインレンジ):85km

【交流電力量消費率】

WLTCモード:239Wh/km

市街地モード:220Wh/km

郊外モード:221Wh/km

高速道路モード:262Wh/km

一充電消費電力量:19.90kWh/回


■価格

532万700円



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