憧れはあるけどハードルが高そうでなかなか手が出ない、ソトでの映画観賞。しかし近頃はスマホ用のプロジェクターが続々と登場しており、プライベートキャンプでも気軽に取り入れることができる。そろそろデビューしたいと考えている人も多いのでは?
そこで今回は、スマホ用プロジェクターを選ぶ際のポイントと、編集部的に気になった最新プロジェクターを紹介。これを機に家やキャンプにプロジェクターを取り入れてみては?
一家に一台はマスト? 驚異の進化を遂げたプロジェクター。
映画を見るためだけにプロジェクターを買うのはちょっと……なんて考える方もいるかもしれないが、最新のプロジェクターは驚くべき進化を遂げている。
鮮明に映像を映し出せる光量はもちろん、YouTubeやNetflixをカンタンに視聴できたり、スピーカー代わりに使えたりと、もはやテレビを買う前にプロジェクターを買った方がいいのでは?とさえ思えてしまうほどの実力派が揃っている。
屋外用と家庭用。その違いは?
そもそも屋外用プロジェクターと、家庭用・会議用との大きな違いは、屋外に持ちだせる機能がついているかどうか。バッテリー内臓であることをはじめ、防滴仕様やテント内でも楽しめる超単焦点など、様々なスペックが備わっているのだ。
ではどんなスマホ用プロジェクターを選べばいいのか、さらにはオススメの使い方まで、アウトドアやファッション業界で幅広く活躍するスタイリストとしてGO OUTでもおなじみの、近藤 有倫さんに話を伺ってみた。
スマホ用プロジェクターを選ぶときの6ヶ条。
01. コンパクトなサイズにすべし。
精密機器はどうしても重くて嵩張るものが多いイメージだが、最近は、屋外に持ち運びやすいように本体がコンパクト且つ軽量なものがリリースされている。手の平サイズの超小型なものから重量500gを切るモデルまで、幅広いラインナップに。アウトドア用の収納ケースに入れるなどして持ち運ぶと、ギア感も出て◎。
02. スマホとの接続方法はチェックしておこう。
スマホとの接続方法は大きく分けて有線か無線のどちらかだ。Wi-Fiによるワイヤレス接続が主流になっているが、Wi-Fi環境のない屋外やキャンプ場では使えないのでは?と疑問も湧く。
でも心配無用。プロジェクターによっては、Bluetooth接続やHDMI、Chromecastなどの方法から選べるものがある。また、プロジェクター自体に録画機能が付いていたり、USBメモリからコンテンツ再生することができる機種もあるぞ。
03. バッテリー駆動時間はちょっとでも長いものを。
今回は屋外に持ち運ぶことが前提なので、バッテリーは内臓型か外付けの2タイプがおすすめ。内蔵型や外付けなら、電源サイトに縛られることもない。
ただし、Wi-Fi使用時やバッテリー消費量の増える真冬などは、表記よりも消費が早まることがあるので要注意。一泊キャンプなら、最低でも映画1本分の駆動時間を確保したい。
04. 投射距離と角度調整機能の有無。
キャンプで使用する場合は、専用スクリーンではなくテントに投射するくらいでも十分快適に視聴できる。その際、投射距離(本体からスクリーンまでの距離)についてはモデルによって設定が違うのであらかじめ確認しておきたい。
地面に直置きでは安定しないので、高さのあるサイドテーブルや三段ラックなどのキャンプ用品など、平らな置き場を活用したい。レンズ自体を傾けられたり三脚をセットできたりするモデルなら、投射の自由度がさらに高くなる。
05. 解像度とルーメン数が、鮮明に映るかどうかの鍵。
暗い部屋や夜間のキャンプ場で使うことを前提にした場合、光量は100ルーメン(光量の単位)以上あれば十分鮮明に写すことができる。解像度については、高ければ高いほど鮮明に映るが、その分値段も張ってしまう。
とはいえ、解像度とルーメン数はプロジェクターにとって最重要部とも言える。ケチって安いプロジェクターを選ぶと画質が悪く映画に集中できないので、思い切って高解像度のものを選ぶのが得策だろう。
06. スピーカー内臓型が外遊び向き。
スピーカーは本体に内臓されているものと、外付けのものがある。音にもこだわりたいという気持ちはわかるが、外遊びには内臓型がおすすめ。うっかりスピーカーだけ忘れることもないし、荷物にもならないので持ち運びにも適している。
Bluetoothイヤホンをつなぐこともできるが、イヤホン自体がマルチ接続の特殊なタイプでない限り、接続できるのは1台のみ。キャンプ場が混んでいて音量を上げるのが憚られる場合などは、サイドテーブルや三段ラックなどを使って、チェアに座った状態で耳元に来るよう置き場所を調節するなどで工夫するといい。そうすることで十分迫力ある音を楽しむことができる。
【スタイリスト近藤さん愛用のプロジェクター】
近藤さんがプライベートで愛用しているのは、Ankerの「Nebula Capsule Ⅱ」(¥59800)。200ルーメンと高解像度を併せ持つため、かなり鮮明な映像を楽しむことができるハイスペックなモデルだ。
Wi-FiやBluetooth、Chromecastなど様々なワイヤレス接続が選択可能(HDMIやUSBもついているが、つなぐ対象機器に電源が必要になってくるため、こちらはあくまで屋内用と考えるのがよさそうだ)。ベーシックな三脚なら基本的にどんなものでもセットできるようになっていて、近藤さんは付属の収納ケースにも入れることができるマンフロットのミニ三脚を使っているそうだ。
また、音楽であれば約10時間の連続再生が可能で、360度聴こえる全方向性スピーカーを搭載しているから、周りにひとがいなければBluetoothスピーカーとしての活躍も期待できる。
教えてくれたひと:近藤有倫さん
GOOUTをはじめアウトドアスタイリングを得意としながら、ストリートからドレスまで専門的な知識に基づいたセンスで細部にこだわるスタイリスト。
プロジェクターを天井に映して寝転がりながら映画を観るのが最近のマイブーム。このところキャンプに行けていないので、自宅で焚き火動画を流しながら外遊び気分を味わっているんだとか。
いま買える! 屋外対応プロジェクターを編集部が厳選。
外遊びでも使えることを前提に、チョイスしたものは全てバッテリー内蔵型。映画1本は観ることができる駆動時間、暗ければ十分鮮明に映る光量を条件に、最新機種をセレクトした。
1. LG エレクトロニクス「PH550G」
- 価格:オープン価格
- サイズ:174×116×48mm
- 重量:650g
- 輝度:550ルーメン
- 解像度:1280×720
- 接続:Bluetooth
- 駆動時間:2.5時間
2. ASUS「Zen Beam E1」
- 価格:オープン価格
- サイズ:83×110×29mm
- 重量:307g
- 輝度:150ルーメン
- 解像度:854×480 ドット(WVGA)
- 端子:HDMI
- 駆動時間:5時間(明るさ50ルーメン時)
3. Anker「Nebula Mars Ⅱ」
- 価格:¥69800
- サイズ:178×122×138mm
- 重量:2300g
- 輝度:300ルーメン
- 解像度:1280×720画素
- 接続:Wi-Fi、Bluetooth
- 端子:HDMI 、USB
- 駆動時間:動画/約4時間、音楽/約30時間
4. BENQ「GV1」
- 価格:オープン価格
- サイズ:80×155×80mm
- 重量:708g
- 輝度:200ルーメン
- 解像度:480p(854×480ピクセル)
- 接続:Wi-Fi、Bluetooth
- 端子:USB-C
- 駆動時間:3時間
スマホ用プロジェクターが、プライベートキャンプの定番品に?
クリアな映像や音質、バッテリーの持ちやノンストレスな接続方法などは、基本的には金額の高さと比例するようだ。とはいえ、映画やYouTube、Netflix観賞をはじめ、ゲーム、音楽まで網羅するのであれば、そう高い買い物ではないはずだ。
家族や近しい友人同士でのプライベートキャンプの新しい相棒として、スマホ用プロジェクターの導入を検討してみては?