キャンパーの間で人気が高まっている新進気鋭のガレージブランド「CAMPOOPARTS(キャンプオーパーツ)」。無骨で男前、かつ実用性の高いギアを多くリリースしているが、特に最近大きな話題となっているのが、煙突レスのキャンプストーブ「TENTO暖炉」だ。
GO OUT WEBでも以前こちらの記事で紹介し、大きな反響を呼んだウワサの暖炉だが、その実力はどうなのか、実際に使ってみた。
煙が出ないテント暖炉って? まずはおさらい。
TENTO暖炉【両面ガラス無し仕様】CPD3 ¥59800
使用した感想に移る前に、まずはザッとおさらい。この「テント暖炉」の最大の特徴は、燃料に薪ではなく、バイオエタノールを採用していること。
燃焼しても二酸化炭素と水しか出ないため、煙突を設置する必要がない。二酸化炭素がでるためもちろん換気は必要だが、薪ストーブに比べてテント内でも扱いやすく、持ち運びもラクラクというスグレモノだ。
また「炎を目で楽しむこと」を前提に作られており、ゆらゆらと美しく燃え続ける炎を眺められるのも魅力。
- 【SPEC】
- 素材:鉄板(本体部)/ステンレス(バーナー部)
- サイズ:W600(取っ手+90)×D200×H500mm
- 重量:約11.5kg
- ※耐熱塗装。
- ※キャンバス地の専用ケース付き。
重厚、だけど洗練されたデザイン美。
上で述べた通り、炎を眺めて楽しむことを前提にデザインされたというこのテント暖炉。耐熱塗装が施された鉄板でできたボディーは、重厚感があって燃え盛る炎と相性がいい。ネイティブ柄にくり抜かれた側面は、炎で赤く染まって見えるなど、気分のアガるディテールも嬉しい。
また、アイアン製とはいえ、無駄のないデザインに無骨な印象はなく、むしろ北欧家具のように洗練されており、どんなテントサイトにも馴染み良いはず。暖房器具としてはもちろんですが、それ以前にまずはデザインが秀逸なのだ!
組み立てから着火までわずか2分のイージー設営。
暖炉を構成するパーツはこれだけ。本体以外は平たい鉄板(バーナー部はステンレス)のパーツで構成され、組み立てもそれぞれを差し込んでいくだけのイージー設営になっている。
2つある脚を組み合わせて本体をはめ込み、ステンレスのバーナー部とグリルのような天板を入れるだけで完成。
もちろん今回初めて組み立てたが、完成形さえ分かっていれば迷うことなく組み上げていくことができるため、アウトドア初心者でも簡単にセットできそうだ。
先に述べた通り、燃料には、エコ燃料として注目されてるバイオエタノールという液体を使用する。あまり馴染みのないものかもしれないが、実はホームセンターやネットで気軽に手に入れることができる、意外と身近なアイテムだ。
ちなみに、バイオエタノール燃料はe-NRG(エナジー)製またはヒロバゼロ製(GSE271)などがオススメとのこと。
バーナー部にバイオエタノールを注入したら、安全のためにもチャッカマンなど長めのライターを使って着火する。焚き火のようにじわじわと火を育てていくというよりは、着火した瞬間に炎が立ち上がるのが気持ちいい。いきなりクライマックスだ。
火力は控えめ。2〜3人用シェルターを暖めるのに最適!
外気温約13℃のなか3人用シェルター内で使用したところ、火がついてからじわじわと温まっていき、1時間ほどで室内温度が約4度上昇し、その後はほぼ一定の温度をキープ。燃料時間は、通常容量の2Lで約3時間とあるが、実際には3時間以上燃えた。
燃焼時間は一般的な石油ストーブと比べればやや短めだが、炎を目で楽しむ焚き火的な魅力も味わえることを考えれば充分だ。
薪ストーブや焚き火に比べるとやはり火力は劣るが、まだまだ冷え込むことのある春キャンプのメインストーブとして十分なスペックといえる。
ちなみに、ポットで湯を沸かそうと試みたが、そこまでの火力はない。せいぜい沸かしたお湯の保温ができる程度だ。
また、リビングテント内での使用が推奨されているが、煙突がないことでサイト内の好きな場所に設置できるのも、薪ストーブにはない魅力。テント外でも使ってみたところ、風の影響によって1時間半で炎が消えてしまったが、約1Lで1時間半燃焼していたので、外で使っても燃焼時間は変わらない計算になる。
天気のいい夜には、外に出して焚き火感覚で暖を取りながら揺らめく炎を眺めるのも良さそうだ。
重量はなかなか! オートキャンプサイトでの使用がおすすめ。
燃焼系の暖房ギアとして適正サイズ(W600 [取っ手+90]×D200×H500)ではあるが、バーナー部以外は全て鉄板で出来ているため、総重量は約11kgでずっしりとした重さがある。
アイアンならではの重みというのも魅力的ではあるが、女性がひとりで持ち運ぶには荷が重い。男性でも2、3分も持っていれば腕がプルプルしてくるくらいだ。連れて行くならテントサイトにクルマをつけられるオートキャンプサイトでの使用がおすすめ。
【炎とCO2に要注意!!】
寒いからといってテントを密閉した状態で使用し続けるのは危険である。空気中の二酸化炭素濃度が上がって中毒になってしまう恐れがあるので、換気口を開けたり、就寝時には消すなど細心の注意が必要だ。
今回使用したガラス無しタイプは、手を突っ込むと炎にダイレクトに触れてしまう。風の影響も受けやすいので、外での使用の場合は特に暖炉からはみ出る炎に注意しよう。
別売りで耐熱ガラスも用意しているとのことなので、小さい子供やペットがいる家庭にはあったほうが無難だろう。
春秋キャンプの新定番になりそうな予感。
男前な見た目だが、北欧家具のように洗練されたデザイン性と、アウトドア初心者でも扱いやすい実用性を兼ね備えた、見てよし・使ってよしのテント暖炉。
火力は弱めなため冬キャンプ用としては心許ない印象だが、気分まで暖めてくれるインテリア的な魅力もあり、これは人気爆発の予感。春秋キャンプ時の暖房として新たな定番ギアとなりそう!
現在、キャンプオーパーツ公式サイトにて予約受付中で、4月15日より順次発送とのこと。すでにかなりの話題となっているため、早めの予約がオススメ!
Photo/Mai Tanaka
(問)キャンプオーパーツ https://www.campooparts.com