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最新の自動販売機はここまですごいのか!? リテールテック JAPANで展示していた自動販売機の新機能に迫る!


街のあちこちで見かける自動販売機。最近は缶ジュースやペットボトル飲料にとどまらず、さまざまな商品を取り扱うものも増えています。旧来の自動販売機と何が違うのか。最新の自動販売機の動向を追ってみました。

1位:お菓子
2位:電池
3位:文房具
4位:おにぎり
5位:野菜

突然ですが、これは自動販売機で購入できたらいいもののランキングです。パルサーが2024年2月に発表した調査で、全国の20歳から65歳の男女362人に聞いた結果です。電池や文房具などの生活必需品を求める声は多く、自動販売機を利便性向上の手段と考える傾向が高まりつつあることを物語っています。

図1:自動販売機で購入できたらいいなと思うものは?(自動販売機JP調べ:https://jidohanbaiki.jp/)

では、こうしたニーズを満たすべく、最新の自動販売機はどんな機能を備えているのか。ここでは2024年3月12日から3月15日まで開催していた見本市「リテールテック JAPAN 2024」で展示していた最新自動販売機を紹介します。

免税品を取り扱える自動販売機

J&J Tax Freeは、インバウンド需要を取り込みたいと考える事業者向けにシステムやサービスを提供する企業。新たな製品としてインバウンド向けの自動販売機を発売し、リテールテック JAPAN 2024で実物を展示していました。

同社が提供する自動販売機の最大の売りは、免税品を取り扱えること。訪日観光客が国内で免税品を購入する場合、販売スタッフが購入者のパスポートを確認するなどの作業を伴うのが一般的です。しかし、免税対応の自動販売機は、パスポートを読み取るスキャナーを装備。購入者の顔を記録するカメラも内蔵し、販売スタッフによる免税販売手続きを自動化します。「自動販売機は国税庁のシステムと連携し、読み込んだパスポート情報は自動で国税庁のシステムに送信される」(展示会場の説明員)といいます。パスポートの顔写真とカメラで撮影した購入者の顔が一致するのかも自動販売機が判別します。

図2:自動販売機前面には大画面のディスプレイを搭載する

化粧品や香水、日本酒、たばこ、時計、バッグ、財布など、大きさの異なるさまざまな製品を取り扱えるのも特徴です。自動販売機の内部は、取り扱う商品の大きさに合わせて敷居を自在に変えることが可能。自動販売機を導入する事業者に応じて、さまざまな商品を取り扱えるようにしています。「商品を自動販売機下部の取り出し口まで運ぶエレベーターを内蔵する。缶ジュースやペットボトル飲料を扱う自動販売機の場合、下部の取り出し口まで商品を落とすのが一般的だ。しかし本機は、高額で壊れやすい免税品を扱うことを想定している。商品を落下させず、取り出し口まで丁寧に運ぶ仕組みにもこだわった」(展示会場の説明員)と述べます。

図3:自動販売機上部にカメラ、脇にはスキャナを搭載する

そのほか、自動販売機前面のモニターには、多言語でメニューを表示。購入手順を示す案内も言語を切り替えられるようにしています。もちろんキャッシュレス決済も可能で、「自動販売機を導入する事業者に応じて、必要なキャッシュレス方式を追加できるようにしている」(展示会場の販売員)といいます。

免税品を取り扱う事業者はインバウンド需要を取り込むべく、販路を少しでも拡大したいと考えるはず。しかし、小売業は人手不足問題に直面し、思うように販路や販売機会を創出できずにいるのが現状です。今回の免税対応の自動販売機を活用すれば、販売スタッフを介さずに免税品を24時間販売できるようになります。訪日観光客が多く通る場所に自動販売機を設置すれば、販売機会を容易に増やせるという効果も見込めます。

空港や観光地などの訪日観光客が利用する場所に、免税対応自動販売機が並ぶ…。そんな日が近々訪れるかもしれません。

カメラとAIが取り出した商品を自動で判別

リテールテック JAPAN 2024に出展した高千穂交易は、オフィスや外食チェーン店、商業施設などの設置を想定した自動販売機を展示していました。自動販売機の名称は「PickShop」。商品を冷蔵保存するタイプに加え、商品を冷凍保存できる新モデルも展示していました。

PickShopは、オフィスや工場で働く社員や商業施設やビジネスホテルを利用する人の活用を想定する自動販売機。利用者が自動販売機の扉を開け、中に置いてある飲食物などを自由に取り出せるようになっています。キャッシュレス決済で購入代金を支払う仕組みも備えます。

図4:高千穂交易の出展ブース中央で展示していた「PickShop」

利用者がどの商品を取り出したのかを自動判別する機能を備えるのが最大の特徴です。自動販売機の内部には2台のカメラを設置。カメラの映像をAIを使って解析することで、どの飲食物が取り出されたのかを正確に判別します。似たような形状の飲み物や食べ物を取り扱っても問題なく判別するといいます。どの商品が売れたのかをリアルタイムで把握できるため、適切なタイミングで在庫を補充することも可能です。クラウドサービスを使って自動販売機を管理し、遠隔から販売商品を登録したり、商品の売価を変更したりすることもできます。

図5:利用者が取り出した商品をカメラとAIが自動で判別する

なお、代金の支払いはQRコードなどの二次元コードかクレジットカードを利用可能。スマートフォンにダウンロードする必要のないWebアプリを通じ、これらのキャッシュレス方式を使って代金を支払います。WeChat PayやAliPay+といった中国での利用頻度が高いキャッシュレス方式にも対応し、訪日観光客向け商品を取り扱う利用シーンも見込めます。現金を一切取り扱わないため、無人で起こりうる“自販機荒らし”を防げるほか、釣り銭を管理する手間も省けます。

最近は複数のカメラを駆使し、販売スタッフを配備しない無人店舗が増えつつあります。カメラやAIを組み合わせれば、在庫管理や万引きの防止、決済の自動化も十分見込めるようになっています。今回の「PickShop」は、まさに無人店舗の仕組みを自動販売機で再現したともいえる製品。今後はさらにいろいろなシーンで、「カメラ+AI」を駆使した販売システムが活躍するかもしれない。そんな未来を感じさせる自動販売機でした。

関連リンク
株式会社J&J Tax Free
https://j-taxfree.jp/

高千穂交易株式会社
https://www.takachiho-kk.co.jp/

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