京セラコミュニケーションシステム株式会社と北海道大学が共同開発した雪上走行の中型自動配送ロボットが、国内初となる準公道での走行試験に成功しました。この取り組みは、厳しい雪国特有の物流課題に挑む重要な一歩となります。
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この共同開発は、無人自動配送ロボットを活用して、子どもから高齢者まで誰もが快適に住めるまちづくりを目指すKCCSのビジョンに基づいています。特に日本の半分が豪雪地帯であることを考慮し、2021年から北海道石狩市で無人配送ロボットの技術検証を続けてきました。雪の中でも確実に配送サービスを提供することが目標です。
試験には、北海道大学の江丸准教授が開発したAIによるノイズ除去技術が用いられ、KCCSの自律走行技術と組み合わされています。具体的には、降雪時に雪粒を障害物として認識し、自動制御で停車する能力が強化されました。また、LiDARを用いた自己位置推定技術も向上し、積雪や降雪中でも安定した走行が可能になっています。
さらに、視界不良を解消するためにカメラにヒーターフィルムを装着し、降雪時でも遠隔監視や操縦が正確に行えるようになりました。このような革新的技術が搭載された配送ロボットは、地域の物流を活性化し、さらなる自動化社会の実現に向けた重要な役割を果たすことが期待されています。
本走行試験は、JAXAの支援を受けたNEDOのプロジェクトの一環であり、今後も改善と実証実験が続く予定です。2025年2月16日までの期間中に、更なる技術検証を行い、真冬の厳しい環境でも安定した運用ができるかどうかを検証していきます。この取り組みにより、日本の物流がどのように進化していくのか、注目です。
詳しくは「京セラコミュニケーションシステム株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部糸井