
日産自動車が国内で初めて、運転手が乗らず、交通量の多い市街地を走る自動運転車の実証実験の様子を横浜市内で報道陣に公開した。人口密集地での完全自動運転を見据えた安全性の検証が目的。同社は2027年度には、完全自動運転の車両による乗り合いサービスの開始を目指している。
車両は主力ミニバン「セレナ」をベースに開発した。常に周囲を把握するカメラやレーダー、センサーが付いており、運転手が乗らなくても、交通量が多い市街地を時速40キロまで上げて走行した。
日産は今回、「遠隔型自動運転」と呼ぶ手法を採用した。緊急時に遠隔操作で運転を代行するドライバーとシステムが正常に稼働しているか確認する監視員を同社の本社に置き、助手席に非常停止ボタンを持つ保安要員が同乗する体制だ。
記者も横浜市西区の日産本社から同市中区の赤レンガ倉庫付近まで往復約5キロのルートで走行を体験した。発進と停止、信号がある交差点への進入、車線変更などを全て自動で行った。路肩に停車中の車両を発見した際には機敏に車線変更して回避するなど、不安を感じることはほぼなかった。
日産の土井三浩常務執行役員は「実験を通してシステムの精度を上げ、完全自動運転に近づけたい。将来的には配車アプリとの連携など、自動運転サービス全体をパッケージにして、提供することが狙いだ」と話した。【秋丸生帆】
