二足歩行をする人間にとって、足こそが唯一の地面とコンタクトポイントです。足裏には多くのセンサーが集まり、運動の司令塔である脳にさまざまな情報を送っています。情報のインプットなくして正しい運動動作は生まれません。運動神経の発達には足裏のセンサーが重要なのです。
運動神経の発達と足裏のセンサー
神経を大きく分けると、刺激を脳に伝える感覚神経と、脳から命令を伝える運動神経があります。じつは、足裏には運動神経の3倍もの感覚神経が存在。足裏は多くの情報を受け取っているのです。
足裏の感覚神経の8割は接地による振動を感知して、圧力や路面の滑りやすさの情報などとのデータを脳へ伝達。そのデータを元にどのような動きを行うかの精度が運動神経の良し悪しです。
すなわち、運動神経の発達は足裏のセンサーが十分に働いていることが最低条件。より多くの情報を正しく脳に伝えることで、運動神経も正しく発達するというわけです。
運動神経の発達は足と脳の協調性
しかし、靴を履くだけでも足裏のセンサーは鈍くなるもの。さらには、凹凸がないフラットな地面に慣れてしまっては、センサーはますます鈍化します。もちろん、運動量が下がることもよくありません。
だからこそ、裸足になる機会を増やして足裏を刺激して鍛えると、センサーが磨かれて足と脳との協調性が高まるというわけ。この足と脳との協調性は、そのまま運動神経の発達といいかえられるのです。
しかも、足裏の神経細胞は加齢によって減ることがわかっています。子どものころから裸足で遊ぶことはもちろん、歳を重ねても裸足の機会を増やすことが、運動神経の発達には欠かせないのです。