スタミナともいわれる持久力は、細胞の中にあるミトコンドリアによって左右されます。ミトコンドリアは、細胞の核のまわりに存在するもの。1つの細胞に数百~3千個存在しています。ミトコンドリアを増やすことで、スタミナをアップさせることができるのです。
ミトコンドリアを増やすスタミナ実験
ミトコンドリアとスタミナの関連性がわかる実験を紹介しましょう。マサチューセッツ工科大学では、ラットを2つのグループに分けてミトコンドリアの影響を調べる実験が行われました。
遺伝子操作によってミトコンドリアを増やすグループと、ミトコンドリアを減らすグループを作成。そのうえで同じ負荷の運動をさせるという実験です。その結果、ミトコンドリアが多いラットのほうが長時間走り続けました。
ミトコンドリアは呼吸で取り込んだ酸素と、食事で摂り込んだ糖と脂から、ATPというエネルギー源を作ります。ATPは筋肉にあれば筋肉を動かし、心臓にあれば心筋を動かし、脳にあれば神経の情報伝達を促します。
ミトコンドリアを増やす早歩き1分
ミトコンドリアが作るATPは、私たちのあらゆる活動のエネルギー源というわけ。ミトコンドリアが1日に作るATPは50㎏にも及びます。ミトコンドリアがなければ私たちは生きていくことすらできないのです。
ここでミトコンドリアを増やすということは、ATPの産出量を増やすということ。エネルギー源がたくさん作られるわけですから、おのずとスタミナがアップするというわけです。
そして、ミトコンドリアを増やすには、ちょっとツラい運動を1分以上行うこと。負荷が少ない運動だけではミトコンドリアは増やせません。早歩きを1分続けたり、スクワットをゆっくり10回やったり、背すじを1分伸ばすだけでも十分なのです。
ミトコンドリアを増やすスイッチ
1分以上のちょっとツラい運動がよいのは、人間の体はエネルギーが足りないと感じたときミトコンドリアを増やす仕組みになっているからです。細胞の中でATPがなくなるのを感知すると、ミトコンドリアを増やす仕組みが働くのです。
とはいえ1日1万歩の運動をしても、糖や脂などの燃料がある限りはミトコンドリアは同じペースでATPを作り続けるだけ。しかし、早歩きをするともっとエネルギーが必要になるため、瞬間的にATPが足りない状況が発生します。
細胞にはこの状況を見ている酵素が存在。ATPが足りないことに気づくと、ミトコンドリアを増やすスイッチをオンにしま。そして、ATPがなくなる状況というのがちょっとツラいと感じる運動をしたときというわけです。
ミトコンドリアを増やす筋トレテク
ミトコンドリアの役割は栄養を取り込んで、刻々とエネルギーを作り出すこと。ミトコンドリアを増やすとエネルギー代謝は活発になり、1日の総エネルギー消費量も底上げされます。
すなわち、ミトコンドリアを増やすことはスタミナアップのみならず、代謝アップにもつなるということ。ミトコンドリアの量と質は、そのままダイエットの効果に直結するのです。
そんなミトコンドリアを増やすテクニックに、グリコーゲンが少ない状態で筋トレするという方法があります。筋トレ前に栄養を摂取してグリコーゲンを満杯にするより、少量のグリコーゲンで筋トレしたほうがミトコンドリアを増やすことができるのです。
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