国民病ともいえるほど患者数が多い糖尿病は、じつは日本人特有の体質に関係があります。それは膵臓の働きであるインスリン過剰分泌ができる期間が10年ほどしかないため。いわば膵臓の働きには寿命があるのです。ちなみに欧米人は、過剰分泌できる期間が30年もあるといいます。
膵臓の働きはせいぜい10年ほど
インスリンは、膵臓は働きによって分泌されるホルモン。血液中の糖分を取り込んで、エネルギーとして細胞に蓄積する役目を果たします。このインスリンについて、日本人は欧米人に比べて分泌能力が低いといわれています。
膵臓の働きが正常であれば、食べれば食べるほどインスリンは大量に分泌。血液中の糖分を取り込んで血糖値が調整されると同時に、エネルギーが細胞に溜め込まれます。こうして人間は太っていくのです。
しかし日本人の場合、インスリンを過剰分泌という膵臓の働きはせいぜい10年ほど。インスリンをがんばって分泌する膵臓の働きは、10年で力尽きてしまうのでした。日本人は太れる期間が10年しかありません。
膵臓の働きが30年続く欧米人
10年を超えると膵臓の働きが弱ってしまってインスリンの過剰分泌が低下。糖分をエネルギーに変えることができなくなります。必然的に血糖値が高くなって糖尿病となってしまうのです。
ところが欧米人の場合、この膵臓の働きが30年も続くのだとか。30年間も太り続けられるからこそ、欧米には200kgを超える肥満体が珍しくありません。膵臓の働きによって血糖値は調整されているため、糖尿病にはなりにくいのです。
このように、膵臓の働きには寿命があって、日本人はとくにそれが短いというわけ。すなわち日本人は、糖尿病を発症しやすい民族だったのです。
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