腹直筋はいわゆるシックスパックを形作る筋肉として知られています。腹直筋はお腹の前面を覆っているタテに長い筋肉。このため、腹直筋を筋トレするのは意外に難しいのです。そんな腹直筋の筋トレはドローインを併用すると効果がアップします。そのメカニズムについて見ていきましょう。
腹直筋の筋トレは背骨を曲げる意識
筋肉のおもな働きは関節を動かすこと。上腕二頭筋はひじを曲げるときに収縮しますし、太ももはひざを伸ばすときに稼働します。腹直筋も例外でなく、関節を動かすために働いているのです。
ここで腹直筋が動かす関節は背骨。背骨を前に曲げるときに働くのが腹直筋で、後ろに曲げるときは拮抗筋である背筋が稼働します。そして、腹直筋の筋トレではこの背骨を曲げる意識がポイントになるのです。
腹直筋の筋トレの基本はクランチ。仰向けでひざを立てた状態から、上体を起こす筋トレメニューになります。クランチで腹直筋を鍛えるポイントは、胸骨を骨盤に引き寄せるように、背骨1つ1つを曲げるように上体を丸めることです。
腹直筋の筋トレにドローインを併用
そして、このクランチによる腹直筋の筋トレ効果をアップするのがドローインの併用。ドローインとはお腹を引っ込めた状態をキープすることです。お腹をへこませながらクランチをすると、腹直筋の筋トレ効果がアップするのです。
通常、筋トレでは拮抗筋が主働筋の負荷となります。しかし、ドローインしながらのクランチでの拮抗筋は、背筋ではなく腹横筋です。腹横筋はお腹をぐるりと帯のように覆っているインナーマッスルになります。
この腹横筋が腹直筋の収縮の妨げとなって負荷がアップ。筋トレ効果がアップするのです。また、腹横筋が収縮すると腹腔が締まりますが、腹腔内の体積は変わらないため、結果的に腹直筋がタテに伸ばされます。
筋トレは筋肉を最大に伸ばした状態からもっとも収縮するまで負荷をかけると効果がアップするもの。腹直筋を伸ばした状態から筋トレをスタートすることも、効果がアップする要因と考えられます。
【関連リンク】
その気になればすぐ!?内臓脂肪レベルの落とし方
「体幹」と「インナーマッスル」の鍛え方の違い
皮下脂肪を落とすだけで腹筋を割る方法とは?
体脂肪率の理想は腹筋が割れる「10%以下」
ぽっこりお腹を引き締めるインナーマッスル腹筋