メタボリックシンドロームという言葉の浸透によって、すっかり悪者扱いとなっている内臓脂肪。増えすぎた内臓脂肪は生活習慣病の原因となるからです。体脂肪が溜まる場所としては皮下脂肪もありますが、運動や食事がおよぼす影響に違いがあります。内臓脂肪は付きやすくて落ちやすい性質があるのです。
内臓脂肪は付きやすくて落ちやすい
体脂肪率の元となる体脂肪の量や、その内訳となる内臓脂肪と皮下脂肪の量を正確に測ることはほぼ不可能。体を切り開いて脂肪を取り出して、それを秤にかけなければ具体的な数値はわかりません。
ただし、その数値を限りなく正確に推測できるようになってはいます。それがCTスキャンなどによる計測です。その結果、内臓脂肪と皮下脂肪に与える食事や運動の影響に違いがあることがわかってきました。
内臓脂肪には「付きやすくて落ちやすい」という性質があって、一方の皮下脂肪には「付きにくくて落ちにくい」という性質があります。はたして、同じ脂肪でもなぜ内臓脂肪は付きやすくて落ちやすいのでしょう?
内臓脂肪は交感神経の支配が大きい
内臓脂肪も皮下脂肪も、組織的にはどちらも同じ白色脂肪細胞によって構成されています。それでも食事や運動の影響に増減の違いが出るのは、神経の支配に理由があるのです。
交感神経は、さまざまな体の働きを活発にさせる刺激を送るもの。交感神経が優位になると、呼吸や心拍数が高くなり、血圧も高くなります。この交感神経が刺激を送る先の1つに脂肪細胞があるのです。
交感神経からの刺激の種類に応じて、脂肪細胞は脂肪を蓄積したり燃焼するといった働きを活性化します。ここで内臓脂肪は、皮下脂肪に比べて交感神経の支配が大きいのです。このため、脂肪の蓄積も燃焼も速くなるのでした。
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